2024年度甲種過去問【消費機器】

問1 ガスの燃焼、燃焼方式及び伝熱に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

イ 混合ガスの最大燃焼速度は、水素ガスを多く含むほど、速くなる。

ロ 一般にセミ・ブンゼン燃焼式の炎の長さは、ブンゼン燃焼式に比べて長い。

ハ パルス燃焼式は高負荷燃焼が可能であるが、一般に加熱の効率は低い。

ニ 大気中で、1m³のCH₄とCOを、各々完全燃焼させると、乾き燃焼排ガス量は同じ容量である。

ホ 板の高温側の面から低温側の面に伝導する熱量は、板の面積と板の両面の温度差及び板の厚さに比例する。

(1)1 (2)2 (3)3 (4)4 (5)5

答え

答え(2)

ハ ×

パルス燃焼式は高負荷燃焼が可能であるが、一般に加熱の効率も高い

ニ ×

大気中で、1m³のCH₄とCOを、各々完全燃焼させると、乾き燃焼排ガス量は異なる

ホ ×

板の高温側の面から低温側の面に伝導する熱量は、板の面積と板の両面の温度差及び板の厚さに反比例する。

問2 ガスの燃焼及びガスと機器の適応に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

イ サーマルNOx生成の特徴は、NOx生成速度が極めて高い温度依存性を持つことにあり、温度が低くなるとその生成速度は急速に増加する。

ロ ガス種Aからガス種Bへの熱量変更をする場合、インプットを一定にするためのノズル口径の変更率は、下記で計算される。
D𝖻 / D𝖺 = √(WI𝖻 × √P𝖻) / √(WI𝖺 × √P𝖺)
D𝖺:ノズル口径(調整前)(mm)
D𝖻:ノズル口径(調整後)(mm)
WI𝖺:ウォッベ指数(調整前)
WI𝖻:ウォッベ指数(調整後)
P𝖺:ガス機器の標準圧力(調整前)(kPa)
P𝖻:ガス機器の標準圧力(調整後)(kPa)

ハ 炎の先端が赤黄色になって燃えている現象をイエローチップといい、燃焼反応が十分な速さで進んでいないことを示している。

ニ バーナーの燃焼特性を示す下図において、①はフラッシュバックが発生しやすい領域を示している。

ホ バーナーの燃焼特性を示す下図において、②はリフティングが発生しやすい領域を示している。

(1)1 (2)2 (3)3 (4)4 (5)5

答え

答え(1)

イ ×

サーマルNOx生成の特徴は、NOx生成速度が極めて高い温度依存性を持つことにあり、温度が高くなるとその生成速度は急速に増加する。

ロ ×

ガス種Aからガス種Bへの熱量変更をする場合、インプットを一定にするためのノズル口径の変更率は、下記で計算される。
D𝖻 / D𝖺 = √(WIa × √Pa) / √(WIb × √Pb)


ニ ×

バーナーの燃焼特性を示す下図において、①はイエローチップが発生しやすい領域を示している。

ホ ×

バーナーの燃焼特性を示す下図において、②は不完全燃焼が発生しやすい領域を示している。

問3 家庭用ガス温水機器に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

イ 現在販売されているBF式ふろがまは、電池を電源としたマイコン回路を装備し、ふろ消し忘れ防止機能、異常着火防止機能、タイムスタンプ機能を標準搭載している。

ロ 給排気通路の閉塞状態を排気ファンの風量低下により診断する自己診断機能は、閉塞状態ではファンの風量が少なくなり、ファンモーターに流れる電流値が大きくなる特徴を利用している。

ハ 瞬間湯沸器の点火・消火機構のうち、水流スイッチ式は、水通路に水が流れた時の水圧変化によりスイッチが作動し、ガス電磁弁を開けるものである。

ニ 燃焼用の空気を屋内からとり、燃焼排ガスを排気筒で屋外に排出する方式のふろがまをFF式ふろがまという。

ホ 温水暖房の熱動弁は、弁の動きが緩やかであり、電磁弁や電動弁に比べ構造が複雑である。

(1)1 (2)2 (3)3 (4)4 (5)5

答え

答え(2)

ロ ×

給排気通路の閉塞状態を給気ファンの風量低下により診断する自己診断機能は、閉塞状態ではファンの風量が少なくなり、ファンモーターに流れる電流値が小さくなる特徴を利用している。

ニ ×

燃焼用の空気を屋内からとり、燃焼排ガスを排気筒で屋外に排出する方式のふろがまをCF式ふろがまという。

ホ ×

温水暖房の熱動弁は、弁の動きが緩やかであり、電磁弁や電動弁に比べ構造が簡単である。

問4 家庭用ガス機器に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

イ 現在販売されている Si センサーコンロには、調理油過熱防止装置、立ち消え安全装置、消し忘れ消火機能、早切れ防止機能が標準的に搭載されている。

ロ オーブンは、庫内の鉄板を下部から熱した伝導熱によって短時間に調理できるようになっている。

ハ 一般にこんろは、省エネ法*によるトップランナー基準の対象機器となっている。

ニ 回転ドラム式の衣類乾燥機は、燃焼排気を加熱空気とともにファンにより強制的に吸入し、ドラムの中の衣類等を乾燥させるものである。

ホ ファンヒーターは、ガスの燃焼により生じるふく射熱で暖める開放式暖房機器である。

*省エネ法とは、「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーの転換等に関する法律」をいう。

(1)1 (2)2 (3)3 (4)4 (5)5

答え

答え(3)

ロ ×

オーブンは、庫内の鉄板を下部から熱した対流伝熱によって短時間に調理できるようになっている。


ホ ×

ファンヒーターは、ガスの燃焼により温風を強制対流させる開放式暖房機器である。

問5 業務用ガス機器、ガス冷暖房及びコージェネレーションシステム(CGS)に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

イ 業務用厨房の排気専用ダクトに接続する半密閉式瞬間湯沸器は、防火性能評定試験基準に合格した製品であることが必要である。

ロ 貯蔵湯沸器は、給湯配管を通して離れた場所へ給湯することができる。

ハ 都市ガス用冷暖房の冷房方式には、冷却の原理により、吸収式と圧縮式がある。

ニ CGSの発電電力を系統連系した場合、一定の条件を満たせば、発した余剰電力を電力系統に送り出すこと(潮流)ができる。

ホ CGSにおけるガスエンジンの希薄燃焼は、理論空燃比よりも過剰に空気を混合させることで最高燃焼温度を高め、高効率化と低NOx化を図る方法である。

(1)1 (2)2 (3)3 (4)4 (5)5

答え

答え(3)

ロ ×

貯蔵湯沸器は、給湯配管を通して離れた場所へ給湯することができない

ホ ×

CGSにおけるガスエンジンの希薄燃焼は、理論空燃比よりも過剰に空気を混合させることで最高燃焼温度を低下させ、高効率化と低NOx化を図る方法である。

問6 換気及び一酸化炭素(CO)中毒に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

イ 調理室の換気に排気フード I 型を使用すると、排気フードを使用しない場合と比べて、必要換気量を 75% にすることができる。

ロ ガスこんろ上部の排気フードは、火源から所定の距離を取り、こんろ上面から 1000mm を超えて設置してはならない。

ハ 高層住宅等では、外風圧の影響により換気風量が大きく変動するため、シロッコファン等の高静圧な換気扇を使う必要がある。

ニ 自然換気回数は、一般的に次式で表される。
n = Q / V
n:自然換気回数(回/h)
Q:自然換気量(m³/h)
V:室の容積(m³)

ホ 血液中のヘモグロビンは、CO と結合しやすく、その結合力は酸素の 200~300 倍もあり、少量であっても一定濃度以上の CO を吸引した場合、酸素欠乏症状に至るおそれがある。

(1)1 (2)2 (3)3 (4)4 (5)5

答え

答え(5)

全て正しい。

問7 ガス機器の給排気に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

イ 合計インプットにかかわらず開放式ガス機器を調理室に設置する場合、換気扇と給気口(換気上有効な隙間は給気口とみなすことができる。)を設ける必要がある。

ロ CF式機器を設置する際、現場状況に合わせて一次排気筒及び二次排気筒ともに適切な長さに現場で加工調整する必要がある。

ハ 既存のBF式機器の給排気筒トップ穴を利用して、壁貫通部に設置するタイプのRF式機器がある。

ニ FF式機器にはBF式機器と同様、外壁式、チャンバー式及びダクト式がある。

ホ 密閉式機器の設置に際しては、給排気筒が壁を貫通する箇所に隙間があってはならない。

(1)1 (2)2 (3)3 (4)4 (5)5

答え

答え(4)

ロ ×

CF式機器を設置する際、現場状況に合わせて二次排気筒を適切な長さに現場で加工調整する必要がある。

一次排気筒は機器の一部のため加工調整してはいけない。

問8 ガス機器の安全装置及び制御装置に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

イ 調理油過熱防止装置は、現在販売されている 2 口以上の家庭用こんろの全口に搭載することが義務化されている。

ロ 開放式湯沸器には、不完全燃焼防止装置が所定の回数作動した場合、機器の再点火を防止するインターロック機構が組み込まれている。

ハ CF式ふろがまにおいて、不完全燃焼した排気ガスが逆流することによる事故を防止するための装置として、雰囲気検知式と排気逆流検知式の 2 つの方式がある。

ニ 比例電磁弁は、コイルに流れる電流による電磁力により弁を制御し、段階的にガス量を調節するものである。

ホ 水量制御装置のうち機械式(ワックス式サーモエレメント)では、水温変化によるワックスの膨張、収縮を利用して水量を制御する。

(1)1 (2)2 (3)3 (4)4 (5)5

答え

答え(4)

ニ ×

比例電磁弁は、コイルに流れる電流による電磁力により弁を制御し、連続的にガス量を調節するものである。

問9 ガス栓、接続具及び警報器に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

イ ガスコンセントのヒューズガス弁の作動流量は、弁型とシリンダー内径、弁質量、スプリング荷重等で決まる。

ロ ゴム管用ソケットは、ガスソフトコードに取り付けて使用し、コンセント口のガスと接続する迅速継手である。

ハ ガス瞬間湯沸器、ガスふろがま等の常設形ガス機器と接続具との接続方法は、ねじ接続とする。

ニ 熱線型半導体式のガス警報器のセンサーは、濃度の薄いガスに対して比較的敏感であり、ガス濃度の上昇に伴い出力上昇は緩やかになる。

ホ 熱電対型半導体式のガス警報器は、半導体式に比べ、消費電力が少なく、小型化が可能という特徴がある。

(1)1 (2)2 (3)3 (4)4 (5)5

答え

答え(5)

全て正しい。