問1 口径10cm、延長200mの低圧導管において、起点圧力と末端圧力との差が0.4kPaのときのガス流量は120m³/hであった。口径20cm、延長400mの低圧導管において、起点圧力と末端圧力との差が0.1kPaのときのガス流量(m³/h)として、最も近い値はどれか。なお、いずれも同一のガスを流すものとし、高低差は考慮しないものとする。
(1)120 (2)240 (3)260 (4)340 (5)480
答え⑵
低圧導管の式
Q=K√(1000•H•D⁵) / √(S•L•g)を用いる
Q:ガス流量 D:導管口径 L:導管延長 H:地点ごとの圧力差 S:ガス比重 K:流量係数 G:重力加速度
120 = K√(1000×0.4×10⁵) / √(S×200×g)…①
わかりやすくするため、
1000×10⁵×0.1 = a
S×200×g = b
とすると、①は、120 = K√{(a×4) / b}…②
に変換することができる。
問題の低圧導管は、
Q = K√(1000×0.1×20⁵) / √(S×400×g)
となる。これを変換していくと、
↓ Q = K√{ a×2⁵ } / √(2×b)
↓ Q = K√{ (a×2⁴) / b }
↓ Q = K√{ (a×4×2²) / b }
Q = 2× K√{ (a×4) / b }
Qが ①(②)の式の2倍なら同じになるので
120×2 =240 m³/h
問2 整圧器に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)アキシャルフロー式(軸流式)整圧器の二次圧力の設定は、パイロットスプリングで調整する。
(2)パイロット式整圧器は、一次圧力と二次圧力の差圧が一定以上確保されない場合、作動できなくなる。
(3)大規模地区整圧器として使用する場合には、オフセット及びロックアップが小さく、動特性の優れた整圧器を選定する。
(4)ハウスレギュレーターは、一般に不純物除去装置と圧力上昇防止装置を一体化している。
(5)整圧器を並列に設置している場合、予備整圧器を分解点検したときは、点検完了後に常用整圧器を停止し、予備整圧器が正常に作動することを確認する。
答え(3)
大規模地区整圧器として使用する場合には、オフセット及びロックアップが小さく、静特性の優れた整圧器を選定する。
問3 次のガスメーターのうち、推量式に分類されるものはいくつあるか。
イ 渦流式ガスメーター
ロ 超音波式ガスメーター
ハ 膜式ガスメーター
ニ オリフィス式ガスメーター
ホ 回転子式ガスメーター
(1)1 (2)2 (3)3 (4)4 (5)5
答え(3)
イ 渦流式ガスメーター
ロ 超音波式ガスメーター
ニ オリフィス式ガスメーター
の3つは推量式に分類される。
問4 内圧を受ける鋼管の厚さ t(mm)を求める場合のガス事業法の管厚計算式について、( )の中の(イ)~(ハ)にあてはまる語句等の組合せとして、適切なものはどれか。なお、この鋼管の外径と内径の比は1.5以下とする。

(1)(イ)導管の内径 (ロ)2 (ハ)許容引張応力
(2)(イ)導管の内径 (ロ)4 (ハ)引張強さ
(3)(イ)導管の内径 (ロ)2 (ハ)引張強さ
(4)(イ)導管の外径 (ロ)4 (ハ)引張強さ
(5)(イ)導管の外径 (ロ)2 (ハ)許容引張応力
答え(5)
(イ)導管の外径 (ロ)2 (ハ)許容引張応力
問5 導管の腐食に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)レール漏れ電流による電食は、電気鉄道のレールを流れる電流の一部が地中に流出することに起因して発生する腐食である。
(2)他防食施設からの干渉による電食は、近接する埋設導管に他防食施設から防電流の一部が流入し、流出部において発生する腐食である。
(3)通気性の異なる土壌にまたがって埋設されている導管では、通気性の悪い部分をアノードとするマクロセルが形成され腐食が生じることがある。
(4)コンクリート中と土壌中をまたがって埋設されている導管では、コンクリート部分をアノード、土壌部分をカソードとするマクロセルが形成される。
(5)異なる2種の金属が土壌中で電気的に接続されると、各々の金属の自然電位の差によりマクロセルが形成されて、自然電位がマイナス側の金属が腐食する。
答え(4)
コンクリート中と土壌中をまたがって埋設されている導管では、コンクリート部分をカソード、土壌部分をアノードとするマクロセルが形成される。
問6 導管の工事に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
イ 外径80mm以上の低圧本支管を道路に埋設する際に、管の表面に2mの間隔で占用物件の名称、管理者、埋設年、ガスの圧力をテープで明示した。
ロ 屋内露出部の横引配管にフレキを使用し、3mごとに支持固定した。
ハ 漏えいしたガスが滞留するおそれのあるピット内に配管したので、点検口を設けた。
ニ 防火区画を貫通する内管を施工する際に、壁との隙間をモルタルで埋めた。
ホ 耐圧試験を最高使用圧力の1.5倍以上の圧力で、不活性ガスを用いて行った。
(1)1(2)2(3)3(4)4(5)5
答え(1)
ロ ×
屋内露出部の横引配管にフレキを使用した場合、2m以内ごとに支持固定すること。
問7 導管の溶接欠陥に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)ブローホールとは、溶接金属内に残留したガスのため空洞が生じた状態をいう。
(2)融合不良とは、溶接金属と母材又は溶接金属同士が溶着していない状態をいう。
(3)スラグ巻込みとは、スラグが溶接金属に残留したものをいう。
(4)溶込み不良とは、開先の一部がそのまま残った状態をいう。
(5)クレーターとは、表面における溶接金属と母材の境界の凹みをいう。
答え(5)
アンダーカットとは、表面における溶接金属と母材の境界の凹みをいう。
問8 導管の維持管理に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
イ 半導体式ガス検知器は、半導体の電導度が雰囲気ガスの吸着によって変化することを利用したものである。
ロ 本支管への浸水による供給支障の際に、管内から採取された水が水道水か否かを判別するため、水道事業者に緊急調査を依頼した。
ハ 低圧導管の管体に腐食孔が発生したので、樹脂ライニング系工法による恒久修理を行った。
ニ 中圧導管の管体に発生した亀裂からの漏えいを修理するために、鋼製修理バンド工法を適用した。
ホ 需要家等からのガス漏えい等の通報に対する出動は、その内容に応じて一般出動、緊急出動及び特別出動に区分する。
(1)1(2)2(3)3(4)4(5)5
答え(1)
ハ ×
樹脂ライニング系の更生修理工法は、本支管及び供内管の腐食漏えい予防として有効であるが、恒久修理には用いることはできない。
問9 地震対策に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)中・低圧導管の地盤変位吸収能力を実験により求める場合、配管系に漏えいが生じるときの地盤変位量を地盤変位吸収能力とする。
(2)特殊地形地区における中圧導管では、非裏波溶接鋼管の耐震性向上対策として、反転シール工法が適用できる。
(3)供給停止判断のため、SI値又は最大速度値の計測が可能な地震計を統合ブロックに1台以上設置する必要がある。
(4)第1次緊急停止判断は、二次災害防止を最優先として、巡回点検等により経時的に得られる被害情報と緊急時対応能力等に応じて実施する。
(5)供給継続地区の需要家等からのガス漏えい通報に対しては、供給停止地区に優先して迅速かつ適切に対応し、二次災害防止に必要な措置を講ずる。
答え(4)
第2次緊急停止判断は、二次災害防止を最優先として、巡回点検等により経時的に得られる被害情報と緊急時対応能力等に応じて実施する。