2024年度丙種過去問【製造】

問1 ガス発生方式に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)バルク貯槽を用いた自然気化方式では、ガス発生能力が外気温に左右されない。

(2)バルク貯槽を用いた特定ガス発生設備では、容器交換作業が不要であり、維持管理上の省力化が可能である。

(3)ガス小売事業におけるガスの製造は、一般の需要に応じ、政令で定める簡易なガス発生設備(特定ガス発生設備)において、LPガスを気化させて地点群に供給する方法が認められている。

(4)需要量が比較的少ない地点群においては、自然気化方式を採用することが多い。

(5)一般的に、強制気化方式は、設置面積が自然気化方式に比べ少なくて済むという特長がある。

答え

答え(1)

バルク貯槽を用いた自然気化方式では、ガス発生能力が外気温に左右される

問2 一般の地点群における特定ガス発生設備の調整装置の能力は、①~④のとおり計算できる。以下の条件における調整装置の必要最低能力(kg/時)として、最も近い値はどれか。

条件
供給地点数:150(地点)
ピーク月1地点当たり平均ガス需要量:50(kg/月・地点)
ピーク日率、調整装置の能力算定安全率:一般の地点群におけるピーク日率、調整装置の能力算定安全率を用いること。

① ピーク月1日平均ガス需要量 

 = 150(地点) × 50(kg/月・地点) ÷ 30(日) = 250(kg/日)
② ピーク日ガス需要量(kg/日) 

 = 250(kg/日) × ピーク日率
③ 最高ピーク時ガス需要量(kg/時) 

 = ピーク日ガス需要量(kg/日) × 0.25(最高ピーク時率)
④ 調整装置の必要最低能力(kg/時)

 = 最高ピーク時ガス需要量(kg/時) × 調整装置の能力算定安全率

(1)49 (2)62 (3)98 (4)113 (5)195

答え

答え(3)98

【与えられた条件】

供給地点数:150

ピーク月1地点当たり平均ガス需要量:50 kg/月・地点

ピーク月:30日

ピーク日率:1.2

最高ピーク時率:0.25

調整装置の能力算定安全率:1.3

①ピーク月1日平均ガス需要量:

150 × 50 ÷ 30 =
→ 7500 ÷ 30 = 250 kg/日

②ピーク日ガス需要量:

250 × 1.2 = 300 kg/日

③最高ピーク時ガス需要量:

300 × 0.25 = 75 kg/時

④調整装置の必要最低能力:

75 × 1.3 = 97.5 kg/時

【Point】一般の地点群における最高ピーク時の実績等のデータがない場合において、ガス需要量を計算するときに用いるピーク率は、ピーク日率が1.20、ピーク時率が0.16、最高ピーク時率が0.25である。

問3 特定製造所の離隔距離及び障壁に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)貯蔵能力 50kg の容器を 29 本 × 2 系列で設置し、障壁を設けたので保安物件との離隔距離を確保しなかった。

(2)貯蔵能力 990kg のバルク貯槽を 3 基設置し、障壁を設けたので保安物件との離隔距離を確保しなかった。

(3)バルク貯槽と火気設備の離隔距離が確保できなかったため、高さ 1.8m の防火壁を設けて火気設備との水平迂回距離を離隔距離以上とした。

(4)障壁を厚さ 15cm、高さ 1.8m のコンクリートブロック(空洞部にコンクリートモルタルを充てんし、かつ、直径 9mm の鉄筋を縦横 40cm の間隔に配筋したもの)で設けた。

(5)第1種保安物件から 15m 以上離れた場所に従来型バルクローリー* を駐車して充てんを行った。

*従来型バルクローリー:「高圧ガス保安法 液化石油ガス保安規則」第9条の移動式製造設備に係る技術上の基準に適合したもの。

答え

答え(3)

バルク貯槽と火気設備の離隔距離が確保できなかったため、高さ 2.0 m 以上の防火壁を設けて火気設備との水平迂回距離を離隔距離以上とする。

問4 バルク貯槽に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)液面計には一般にフロート式や超音波式のものが用いられる。

(2)バルク貯槽本体が直接地盤面下に埋設されている場合は、新たに静電気除去措置を講ずる必要がある。

(3)バルク貯槽の液取出弁からLPガスを送り出すための液配管には、ガス漏えいの拡大防止をはかるため、緊急遮断装置を設ける。

(4)緊急遮断装置は、緊急遮断弁及びこれを操作する機構をいい、当該バルク貯槽の弁の外側であって弁にできる限り近い位置に設ける。

(5)地上設置式のバルク貯槽の安全弁に設ける放出管は、安全弁の出口口径と同じ大きさ以上のものとする。

答え

答え(2)

バルク貯槽本体が直接地盤面下に埋設されている場合は、新たに静電気除去措置を講ずる必要はない

問5 気化装置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)間接加熱方式は、大気温利用式に比べ、小型でも比較的大きな気化能力を得ることができる。

(2)加温−減圧式は、消費量の増大に伴い、気化装置内のLPガスの液面が下降し、有効熱交換面積が大きくなり、蒸発量が増大する。

(3)減圧−加温方式は、液状LPガスを気化圧力調整弁又は膨張弁等を通して減圧し、液温を下げて熱交換器に導入し、大気温又は温水等で加温して気化を行う方式である。

(4)減圧−加温方式で温水により加温する場合、消費を急に停止したときに熱交換器内に液状LPガスが残っていると、圧力が急上昇することがある。

(5)大気温利用方式は、人為的な加熱源は不要であるが、使用条件(原料LPガス組成、外気温度、湿度等)により、性能に大きな影響を受け、熱交換器も大型になる。

答え

答え(2)

加温−減圧式は、消費量の増大に伴い、気化装置内のLPガスの液面が上昇し、有効熱交換面積が大きくなり、蒸発量が増大する。

問6 調整装置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)自動切替式一体型調整器の出口圧力の下限値は、本支管での圧力損失を考慮して3.30kPaに設定されている。

(2)一般に用いられる表示機構は、自動切替式調整器中圧部の出口圧力により作動する。

(3)単段式調整器は、二段式調整器の予備用として多く使用される。

(4)二段式二次用調整器は、単段式調整器の代わりに使用することはできない。

(5)二段式二次用調整器には、安全装置(安全弁)が設けられている。

答え

答え(1)

自動切替式一体型調整器の出口圧力の下限値は、本支管での圧力損失を考慮して2.55kPaに設定されている。

問7 バルク貯槽へのLPガスの充てん作業に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)バルク貯槽と充てんホースを接続する前に、バルクロ―リーの緊急遮断弁を開く。

(2)バルク貯槽のカップリング用液流出防止装置からキャップを取り外すときは、ブリーダー弁を開け、カップリング内にLPガスの内圧がないことを確認してから行う。

(3)バルク貯槽とバルクロ―リーの圧力差が大きい状態で充てんポンプを運転すると、充てんポンプが空転状態となり安全装置が作動して停止することがある。

(4)充てん作業後、カップリング用液流出防止装置からガス漏えいのないことを確認してから、キャップを装着し、ブリーダー弁を閉じる。

(5)液封防止のためバルク貯槽の元弁(液取入弁)を閉止した後、充てんホースを切り離す。

答え

答え(5)

液封防止のためバルク貯槽の元弁(液取入弁)を開けてから、充てんホースを切り離す。

問8 災害対策に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)事故発生時、需要家その他第三者からの通報を受けるために、特定製造所の見やすい場所に事業者の電話番号等を表示しておく。

(2)災害その他非常時の場合の措置について、当該措置に携わる職員に対し、応急処置、通報等に関する教育、訓練を実施する。

(3)二次災害防止のために、防災関連行政機関との連絡方法、需要家に対する広報活動方法、関連工事会社との協力体制を確認、整備しておく。

(4)特定ガス工作物の損傷その他の原因により、ガス漏えいが発生した場合には、必要に応じてガスを遮断し、漏えいしたガスに引火しないように注意し、漏えいガスの拡散を防止する。

(5)特定製造所以外での火災発生時、貯槽が設置してある場合は、状況により散水又は水噴霧を行い貯槽を冷却する。

答え

答え(4)

特定ガス工作物の損傷その他の原因により、ガス漏えいが発生した場合には、必要に応じてガスを遮断し、漏えいしたガスに引火しないように注意し、漏えいガスの拡散を図る

問9 特定ガス工作物等の維持管理に関する次の記述について、誤っているものはどれか。ただし、定期自主検査を除く。

(1)バルク貯槽の検査は、6ヶ月に1回以上行う。

(2)気化装置の検査は、1年に1回以上行う。

(3)調整装置等の検査は、1年に1回以上行う。

(4)防火設備の検査は、1年に1回以上行う。

(5)使用前自主検査の記録は、5年間保存する。

答え

答え(4)

防火設備の検査は、6ヶ月に1回以上行う。