2022年度 甲種 製造 過去問クイズ(一問一答形式) ガス主任技術者試験

2022年度ガス主任技術者試験甲種の製造科目に出題された過去問を、解説付きで試験と同様全9問をクイズ形式でご用意しました。

ぜひ最後までチャレンジしてみてください。

問1 都市ガスの原料に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

イ 国産天然ガスはH2S等の不純物が少なく、脱硫設備等の精製設備を必要としないが、COが多く含まれる場合、水と共存して導管を腐食させることがないようにCOを取り除く。

口 LNGのプール燃焼の消火にあたっては、早期消火をするため冷却効果の高い注水により一気に行う。

ハ LNG船の方形独立タンクタイプB方式(SPB方式)は、モス方式の容積効率の悪さと、メンブレン方式の強度上の問題を解決する方式であるため、採用が増加している。

ニ LPGは外部からの入熱により一部が気化するため、貯蔵時の圧力上昇等には十分注意を要するが、LNGと異なり液封防止についての考慮は不要である。

ホ 下水汚泥由来のバイオガスには、微量のシクロヘキセンが含まれる場合があり、微量であってもガス消費機器の内燃機関内部等に付着する等、部品寿命に影響を及ぼす場合があるため、吸着除去等を行い適切に管理する必要がある。

答え

答え5

イ ×

国産天然ガスはH2S等の不純物が少なく、脱硫設備等の精製設備を必要としないが、CO2が多く含まれる場合、水と共存して導管を腐食させることがないようにCO2を取り除く。

口 ×

LNGのプール燃焼の消火にあたっては、粉末消火器を用いる。

ハ ×

LNG船の方形独立タンクタイプB方式(SPB方式)は、モス方式の容積効率の悪さと、メンブレン方式の強度上の問題を解決する方式であるが、建設費用が高いため採用は増加していない。

ニ ×

LPGは外部からの入熱により一部が気化するため、貯蔵時の圧力上昇等には十分注意を要し、LNGと同様に液封防止について考慮する必要がある

ホ ×

下水汚泥由来のバイオガスには、微量のシロキサンが含まれる場合があり、微量であってもガス消費機器の内燃機関内部等に付着する等、部品寿命に影響を及ぼす場合があるため、吸着除去等を行い適切に管理する必要がある。

問2 製造所の製造設備に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

イ 受け入れ時における緊急時の安全対策の一つとして緊急遮断システム(ESDS:Emergency Shut Down System)があり、第2ステップ(ESD-2)では、LNG船のカーゴポンプ等の停止、及び船側・基地側の緊急遮断弁を閉止し、受け入れを緊急停止させる。

ロ PC式平底円筒形LNG貯槽は金属二重殻式平底円筒形LNG 貯槽と防液堤を一体化した貯槽であり、内槽と外槽との間の空間には断熱材が充填され真空状態に保たれているため、ブリージングタンクは不要である。

ハ リターンガスブロワーは、LNG貯槽内の圧力がLNG を払い出すことにより低下することを防止するための設備であり、機種選定の際はキャビテーション防止対策を考慮しておく必要がある。

ニ オープンラック式気化器の伝熱管には、低温脆性や成形性からステンレス鋼が用いられており、管外面の氷結防止策として、大径化、形状工夫、二重構造等が採用されている。

ホ LNGポンプの特徴の一つとして、軸受及びモーターの冷却は、LNGを使用した自己冷却方式であることがあげられる。

答え

答え1

イ ×

受け入れ時における緊急時の安全対策の一つとして緊急遮断システム(ESDS:Emergency Shut Down System)があり、第1ステップ(ESD-1)では、LNG船のカーゴポンプ等の停止、及び船側・基地側の緊急遮断弁を閉止し、受け入れを緊急停止させる。

ロ ×

内槽と外槽との間の空間には断熱材が充填され真空状態に保たれているため、ブリージングタンクは不要なのは、真空断熱式円筒形貯槽。

ハ ×

リターンガスブロワーは、LNG貯槽内の圧力がLNG を払い出すことにより低下することを防止するための設備であり、機種選定の際はサージング防止対策を考慮しておく必要がある。

ニ ×

オープンラック式気化器の伝熱管には、低温脆性や成形性からアルミニウム合金が用いられており、管外面の氷結防止策として、大径化、形状工夫、二重構造等が採用されている。

問3 電気、計装設備に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

イ オリフィス式流量計は、直管部が不要であるが、流体の温度・圧力・比重の影響を受ける。

ロ ディスプレースメント式液面計は、精度が低いものの測定範囲が広く、液密度の影響を受けないので、LNG貯槽等の液位計量に用いられる。

ハ 液化ガスを通ずる貯槽、配管等は、除電気除去のために確実な方法で接地をする。貯槽管理や受入・払出作業を行う者の人体の静電気除去も必要である。

ニ 遠隔操作弁のポジショナーは、入力信号の変化に応じて、駆動部内の空気の量を連続的に調整し、弁体を駆動させるものである。

ホ 自動制御方式のうち、フィードバック制御は制御遅れが起こらずオーバーシュートなしで制御できる。

答え

答え3

イ ×

オリフィス式流量計は、直管部が必要であり、流体の温度・圧力・比重の影響を受ける。

ロ ×

ディスプレースメント式液面計は、精度が高く測定範囲が広く、液密度の影響を受ける。LNG貯槽等の液位計量に用いられる。

問4 都市ガスの熱量調整と燃焼性管理に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

イ 燃焼性を示す指標には、ウォッベ指数(WI)と最小燃焼速度(MCP)があり、ともにガス事業法で算出方法が定められている。

ロ ウォッベ指数(WI)は、ガス機器のノズルから単位時間に噴出するガスの熱量の大きさを示す指数であり、ガスの総発熱量をガスの密度の平方根で除して算出される。

ハ ガスの増熱を行う場合には、混合ガスの熱量と燃焼性及び増熱原料の露点を管理する必要がある。

ニ ガス-ガス熱量調整方式、液-ガス熱量調整方式、液-液熱量調整方式の中で、ランニングコストが一番高いのは、液-ガス熱量調整方式である。

ホ 空気によりガスの希釈を行う場合、高圧供給では、混合ガスの酸素濃度が8%以下とならないように空気混合量を管理する必要がある。

答え

答え4

イ ×

燃焼性を示す指標には、ウォッベ指数(WI)と最大燃焼速度(MCP)があり、ともにガス事業法で算出方法が定められている。

ロ ×

ウォッベ指数(WI)は、ガス機器のノズルから単位時間に噴出するガスの熱量の大きさを示す指数であり、ガスの総発熱量をガスの比重の平方根で除して算出される。

ニ ×

ガス-ガス熱量調整方式、液-ガス熱量調整方式、液-液熱量調整方式の中で、ランニングコストが一番高いのは、ガス-ガス熱量調整方式である。

ホ ×

空気によりガスの希釈を行う場合、高圧供給では、混合ガスの酸素濃度が4%以上とならないように空気混合量を管理する必要がある。

問5 都市ガスの付臭に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

イ 現在使用されている付臭剤は、主にターシャリーブチルメルカプタン(TBM)、ジメチルサルファイド(DMS)、テトラヒドロチオフェン(THT)等の単一使用であり、これらを混合したものは使用されない。

ロ 付臭設備を密閉した室内に設置する場合は、換気のために室内に吸い込む外気を活性炭等で十分に脱臭する必要がある。

ハ 付臭剤として使用されているジメチルサルファイド(DMS)、テトラヒドロチオフェン(THT)、シクロヘキセンは、いずれも構成元素に硫黄(S)を含む。

二 付臭方式のうち、液付臭方式は、原料LNGの液中に直接付臭剤を注入する方式である。

ホ 付臭剤に求められる要件として、きわめて低い濃度でも特有の臭気が認められること、土壌透過性が低いこと等がある。

答え

答え5

イ ×

現在使用されている付臭剤は、主にターシャリーブチルメルカプタン(TBM)、ジメチルサルファイド(DMS)、テトラヒドロチオフェン(THT)等の単一使用または混合したものである

ロ ×

付臭設備を密閉した室内に設置する場合は、空気を排出する際に活性炭等で十分に脱臭する必要がある。

ハ ×

シクロヘキセンはC6H10なので、構成元素に硫黄(S)を含まない。

二 ×

付臭方式のうち、液付臭方式は、原料LPGの液中に直接付臭剤を注入する方式である。

ホ ×

付臭剤に求められる要件として、きわめて低い濃度でも特有の臭気が認められること、土壌透過性が高いこと等がある。

問6 製造設備の保安、防災に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

イ 保安規程には、保安の業務を管理する者の職務・組織、保安教育、災害など非常時の措置等を記載する必要がある。

ロ 保安管理組織を適正に運用するためには、各役職者の責任権限や、縦横の情報連絡に関する相互の意思の疎通等を明確にしておく必要がある。

ハ 防災の基本は、事故の未然防止であるが、万一事故が発生した場合は、事故の極小化が重要で、被害が生じた際には、早期復旧も必要である。

ニ ガスが滞留しない構造の例として、換気のために十分な面積をもった1方向の開口部をもつ構造がある。

ホ 台風接近時は除々に気圧が低下するため、相対的にLNG貯槽の圧力は低下する。従って、事前にLNG貯槽圧力を上げておく。

答え

答え2

ニ ×

ガスが滞留しない構造の例として、換気のために十分な面積をもった2方向以上の開口部をもつ構造がある。

ホ ×

台風接近時は除々に気圧が低下するため、相対的にLNG貯槽の圧力は上昇する。従って、事前にLNG貯槽圧力を下げておく

問7 製造設備の建設及び操業に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

イ レベル1地震動に対する耐震性能評価は、構造物の塑性変形能力を期待した設計法により、耐震上重要な部位に生じる応答塑性率が許容塑性率を超えないことを確認する。

ロ ガス製造事業者は、工事計画の届け出をして設置する重要なガス工作物の工事について、使用前自主検査を行いこれに合格すれば使用することができる。

ハ LNG貯槽内においては、ボイルオフガス(BOG)が常に発生することにより、貯槽内のLNGの熱量が下がるため、その下がり具合を加味した上での熱量管理が重要である。

ニ 警報や異常が発生した場合の緊急時には、初期段階で適切な処置を行い、やむを得ず製造設備を停止した場合は、あらかじめ定められた手順に沿って安全に停止させるため、ガス事業法上、報告義務はない。

ホ 稼働調整方式である圧力制御方式は、需要変動に応じて供給量を自動的に調整できるため安定供給が図れるが、設備負荷が頻繁に変動することになる。

答え

答え4

イ ×

レベル2地震動に対する耐震性能評価は、構造物の塑性変形能力を期待した設計法により、耐震上重要な部位に生じる応答塑性率が許容塑性率を超えないことを確認する。

ロ ×

ガス製造事業者は、工事計画の届け出をして設置する重要なガス工作物の工事について、登録ガス工作物検査機関の行う使用前検査を行いこれに合格すれば使用することができる。

ハ ×

LNG貯槽内においては、ボイルオフガス(BOG)が常に発生することにより、貯槽内のLNGの熱量が上がるため、その下がり具合を加味した上での熱量管理が重要である。

ニ ×

警報や異常が発生した場合の緊急時には、初期段階で適切な処置を行い、やむを得ず製造設備を停止した場合は、ガス事業法上、報告義務が発生することがある

問8 製造設備の保全に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

イ 改良保全(CM)とは、新設備の建設段階にさかのぼり、信頼性、保全性、経済性、操作性、安全性等を考慮した設計を行い、保全費用、劣化損失を積極的に防止しようとする保全方式である。

ロ 孔食とは局所的に深い孔状の浸食を生じる形式の腐食をいう。炭素鋼の孔食は、しばしば通気差電池の形成によって生じる。

ハ 粒界腐食は、金属や合金の粒界又は社界に沿った狭い部分が優先的に腐食する現象である。

二 溶接部分は熱影響部をはさみ母材、熱影響部、溶接金属と組織が異なり硬度が変化する。このため、硬度の高い部分に集中して繰り返しひずみを受けることとなり疲労強度の低下につながる。

ホ 浸透探傷試験は、金属、非金属の内在欠陥を調べることができる。

答え

答え3

イ ×

保全予防(PM)とは、新設備の建設段階にさかのぼり、信頼性、保全性、経済性、操作性、安全性等を考慮した設計を行い、保全費用、劣化損失を積極的に防止しようとする保全方式である。

二 ×

溶接部分は熱影響部をはさみ母材、熱影響部、溶接金属と組織が異なり硬度が変化する。このため、硬度の低い部分に集中して繰り返しひずみを受けることとなり疲労強度の低下につながる。

ホ ×

浸透探傷試験は、金属、非金属の表面欠陥を調べることができる。内在欠陥を調べることはできない。

問9 地球温暖化問題に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

イ SDGsとは、「持続可能な開発目標」の称であり、2015年9月の国連で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中核となる目標であり、7つのゴールで構成される。

ロ カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを意味する。

ハ 2020年に、日本政府は、2030年までにカーボンニュートラルを目指すことを宣言した。

ニ メタネーションとは、水素とCOから天然ガスの主成分であるメタンを合成する技術をいう。

ホ 都市ガス業界は、日本の温室効果ガス削減目標達成に向け、他化石燃料からの天然ガスへの燃料転換やカーボンニュートラルLNG等の普及促進等の取り組みを加速させている。

答え

答え2

イ ×

SDGsとは、「持続可能な開発目標」の総称であり、2015年9月の国連で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中核となる目標であり、17つのゴールで構成される。

ハ ×

2020年に、日本政府は、2050までにカーボンニュートラルを目指すことを宣言した。

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