2022年度ガス主任技術者試験丙種の消費機器科目に出題された過去問を、解説付きで試験と同様全9問をクイズ形式でご用意しました。
ぜひ最後までチャレンジしてみてください。
問1 ガスの燃焼に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 理論燃焼ガス量は、LPガス(1m^3)の成分が決まれば燃焼の化学方程式により、計算で求めることができる。
⑵ 完全燃焼した燃焼ガス中の二酸化炭素の濃度は、過剰空気無しのときに最も高くなる。
⑶ 多くのガス機器では、理論空気量より20〜40%程度の過剰の空気が必要である。
⑷ ウォッベ指数は、ガスの組成のみによって定まり、ガスの発熱量をガスの比重で除した値である。
⑸ 理論火炎温度とは、ガスが理論空気量の空気と混合し、発生した熱が外部に放散せず、燃焼生成物だけを加熱するとしたときの温度である。
答え4
ウォッベ指数は、ガスの組成のみによって定まり、ガスの発熱量をガス比重の平方根で除した値である。
WI= H/√S
WI:ウォッベ指数
H:ガスの総発熱量(メガジュール/ノルマル立方メートル)
S:ガス比重(空気= 1 )
問2 ガス燃焼時の諸現象に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 燃焼室内の給排気の不良による二次空気の不足は、リフティングが発生する原因となる。
⑵ フラッシュバックは、炎が発口をくぐりぬけてバーナーの混合管内に燃え戻る現象で、ブンゼン式燃焼や全一次空気式燃焼に見られる。
⑶ イエローチップは、炎の先端が赤黄色になって燃えている現象で、一次空気が不足した場合等に起こる。
⑷ 全一次空気式燃焼では、一次空気比を高くして燃焼させると、燃焼ガス温度が上昇し、NOx生成を抑制することができる。
⑸ ブンゼン式燃焼の炎は、赤火式燃焼やセミ・ブンゼン式燃焼の炎に比べ、長さは短く、温度は高い。
答え4
全一次空気式燃焼では、一次空気比を高くして燃焼させると、燃焼ガス温度が低下し、NOx生成を抑制することができる。
問3 ガス機器関連法令等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 給湯付ガスふろがまは、給水装置に係る器具等として水道法の対象である。
⑵ 国内で販売するガス用品の製造又は輸入の事業を行う者は、経済産業大臣に届け出て、そのガス用品が技術上の基準に適合するようにしなければならない。
⑶ 液化石油ガスの消費量が70kW以下の密閉燃焼式液化石油ガス用瞬間湯沸器は、液石法*の特定液化石油ガス界具等に指定されている。
⑷ 液化石油ガスの消費量の総和が14kW(ガスオーブンを有するものにあっては21kW)以下のものであって、こんろバーナー1個あたりの液化石油ガスの消費量が5.8kW以下の液化石油ガス用こんろは、液石法*の特定液化石油ガス器具等に指定されていない。
⑸ LPガス用のガス機器の販売事業者は、液石法*に基づく特定液化石油ガス器具等を販売する場合に、以下の表示のあるものを販売しなければならない。
*液石法とは、「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律」をいう。
答え3
液化石油ガスの消費量が70kW以下の液化石油ガス用瞬間湯沸器で、密閉燃焼式のものは液石法*の特定液化石油ガス界具等の指定の対象外になる。
問4 家庭用ガス機器に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ ファンヒーター、FF暖房機とも温風を強制対流させる暖房機器であるが、ファンヒーターは開放式、FF暖房機は密閉式の機器である。
⑵ 水の電気分解の逆の化学反応を利用して、水素と酸素から電気を作るのが、エネファームにおける発電機能の基本原理である。
⑶ 瞬間湯沸器の出湯能力を表すのに号数が用いられ、給水の上昇温度が20°Cのとき、毎分1L出場する能力を1号としている。
⑷ 給湯器の湯温制御のフィードバック方式は、熱交換器通過後の湯温と設定温度を比較し制御する方式である。
⑸ 給湯暖房用熱源機において、暖房循環水の温度変化による膨張を吸収するためにシスターンが設けられている。
答え3
瞬間湯沸器の出湯能力を表すのに号数が用いられ、給水の上昇温度が25°Cのとき、毎分1L出場する能力を1号としている。
問5 業務用ガス機器に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ ガススチームコンベクションオーブンは、オーブン機能に加え、スチーム機能を搭載することにより、1台で「焼く」、「蒸す」、「煮る」の調理が可能である。
⑵ 立体式炊飯器は、一度に大量の炊飯を行う病院や社員食堂等で広く利用されている。
⑶ ガス貯湯湯沸器は、貯湯槽内にあらかじめ貯えた水を加熱する構造であり、その貯湯槽は密閉されている。
⑷ マルチ温水機の即時給湯(給湯循環式)は、給湯配管がループ形状になっており、常時設定温度のお湯を供給できる。
⑸ ガス衣類乾燥機は、燃焼ガスを新鮮空気で希釈して40°C程度に温度を下げた温風を回転ドラム内に通すことにより、衣類を乾燥させる構造となっている。
答え5
ガス衣類乾燥機は、燃焼ガスを新鮮空気で希釈して80°C程度に温度を下げた熱風を回転ドラム内に通すことにより、衣類を乾燥させる構造となっている。
問6 換気及び給排気に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 一般に、コンクリート住宅の自然換気回数は、木造住宅と比べて少ない。
⑵ 一酸化炭素(CO)中毒の症状は、空気中におけるCO濃度と吸入時間により異なり、CO濃度が0.02%(200ppm)程度のとき、2〜3時間で前頭部に軽度の頭痛が生じる。
⑶ FE式ガス機器は、排気筒トップを風圧帯内に設置することができる。
⑷ FF式ガス機器は、給排気筒の延長が可能であり、また屋根上までトップを出す必要がない。
⑸ RF式ガス機器は、波板等で囲われて自然換気が不十分な場合でも、ベランダであれば設置することができる。
答え5
RF式ガス機器は、波板等で囲われて自然換気が不十分な場合は設置不可。屋外へ設置する。
問7 家庭用ガス機器の安全装置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ Siセンサーこんろには、温度センサーによる調理油過熱防止装置、焦げ付き消火機能が搭載されている。
⑵ FF暖房機の排気筒外れ検知装置は、排気筒が外れた場合に微小電流導通検知の原理を用いて運転を自動的に停止する。
⑶ 凍結予防装置の手動排水栓は、すべての湯沸器に取り付けられている。
⑷ 暖房機器に使用されている不完全燃焼防止装置には、フレームロッド式と熱電対式の2種類がある。
⑸ 給湯器等で使われるフレームロッド式立ち消え安全装置では、炎の温度を検知して炎の有無を判断している。
答え5
給湯器等で使われるフレームロッド式立ち消え安全装置では、炎の導電性と整流性を検知して炎の有無を判断している。
問8 警報器に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 警報器の検知部の設置場所には、周囲温度に関する制限がある。
⑵ LPガス用の一体型警報器は、天井から検知部の下端までの距離が30cm以内の位置に設置する。
⑶ 浴室用CO警報器には、分離型と一体型があり、いずれも防滴構造である。
⑷ LPガス用ガス漏れ警報遮断装置では、警報器が警報を一定時間連続して発した後、遮断弁が閉じる。
⑸ 業務用換気警報器は、COが発生した場合にCO濃度と経過時間から体内のCOヘモグロビン濃度を推定演算し、換気警報を発する。
答え2
LPガス用の一体型警報器は、床面から検知部の上端までの距離が30cm以内の位置に設置する。
問9 ガス栓及び接続具に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ ガスコンセントは、ガスコンセント内部のバルブをコンセント継手内部の磁力により開閉し、コンセント継手が外れたときにガスを止める。
⑵ ヒューズガス栓は、全開で使用しないと、安全機構が作動しない場合がある。
⑶ 現在製造されている元止め式湯沸器を設置する場合、燃焼器用ホース又は金属フレキシブルホースを使用する。
⑷ 燃焼器用ホースには、両端がねじ継手のものと、片側がねじ継手でもう片側が迅速継手のものがある。
⑸ 接続具ロック安全機構のついたガス栓では、開栓状態においてガスコンセントソケットを取り外すことができない。
答え1
ガスコンセントは、ガスコンセント内部の押し棒がバルブ・スプリングを介して栓をスライドさせ開閉し、コンセント継手が外れたときにガスを止める。