2022年度 丙種 基礎理論 過去問クイズ(一問一答形式) ガス主任技術者試験

2022年度ガス主任技術者試験(丙種)に出題された過去問を、解説付きで試験と同様全15問をクイズ形式でご用意しました。

ぜひ最後までチャレンジしてみてください。

問1 水素分子1g中に含まれる水素原子の個数として、最も近い値はどれか。

⑴ 2×10^23

⑵ 4×10^23

⑶ 6×10^23

⑷ 9×10^23

⑸ 1.2×10^24

答え

答え3

アボガドロ定数より

6×10^23

問2 標準状態(0°C、0.1MPa)におけるブタン2.9kgの体積(L)として、最も近い値はどれか。

⑴ 1100

⑵ 1500

⑶ 2200

⑷ 3200

⑸ 4100

答え

答え1

ブタンは化学式C4H10なので

1mol=58g

標準状態における気体1molの体積は22.4Lなので

ブタン2.9kg(2900g)の体積(L)=22.4×2900g/58g

=1120

≒1100

問3 ある気体の標準状態(0°C、0.1MPa)での体積が11.2m^3、質量が22kgであった。この気体は、次のうちどれか。

⑴ 水素

⑵ メタン

⑶ 窒素

⑷ 酸素

⑸ 二酸化炭素

答え

答え5

体積:11.2(m^3)=11.2×10^3(L)

標準状態における気体1molの体積は22.4Lなので

11.2×10^3(L)/22.4(L)=0.5×10^3(mol)

22kg=22×10^3gなので

22×10^3g/0.5×10^3(mol)

=44g/mol

1mol=44gの気体は、問題文の中では二酸化炭素(CO2)になる。

問4 次の物質のうち、1モルの質量が最も大きいものはどれか。

⑴ ブタン

⑵ メタン

⑶ プロパン

⑷ エタン

⑸ 二酸化炭素

答え

答え1

ブタンC4H6:58g/mol

が最も大きい。

問5 分子式-質量-体積の組合せとして、最も不適切なものはどれか。ただし、体積は標準状態(0°C、0.1MPa)における値とする。

⑴H2-4g-44.8L

⑵N2-42g-33.6L

⑶O2-36g-22.4L

⑷CO2-44g-22.4L

⑸C3H8-22g-11.2L

答え

答え3

標準状態における気体1molの体積は22.4L

O2は1mol=32gなので不適切。

問6 伝熱に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

⑴ 伝熱の形態として、伝導、対流、ふく射がある。

⑵ 総括伝熱係数と熱伝達係数の単位は、同じである。

⑶ 固体内での熱の移動は、伝導伝熱である。

⑷ 流動水の場合の熱伝達係数は、流動空気の場合より常に小さい。

⑸ 物体表面で熱が放射のエネルギーに変化して、他の物体に伝わる形態は、ふく射伝熱である。

答え

答え4

流動水の場合の熱伝達係数は、流動空気の場合より常に大きい

問7 温度27°C、圧力0.1MPaの空気を、容積一定の密閉容器内で加熱したところ、圧力が0.15MPaに上昇した。加熱後の空気の温度(℃)として、最も近い値はどれか。

⑴ 41

⑵ 77

⑶ 141

⑷ 177

⑸ 241

答え

答え4

ボイル・シャルルの法則より

P1•V1/T1 = P2•V2/T2

0.1•V1/(27+273) = 0.15•V2/T2

容積一定の密閉容器内なのでV1=V2

T2=450(K)

450-273

=177℃

問8 円管内を流体が流量15.5m^3/sで流れている。平均流速が5m/sのとき、円管の内径(m)として、最も近い値はどれか。

⑴ 0.1

⑵ 0.4

⑶ 0.6

⑷ 1

⑸ 2

答え

答え5

Q=(D/2)^2×π×Vより

Q:流量、D:管径、π:円周率、V:流速

15.5=D^2/4×3.14×5

D^2=15.5×4/(3.14×5)

D^2=3.95

D≒2

問9 内径0.2mの円管の一端をなめらかに絞り下流側を内径0.1mとした円管に、一定の流量のガスを流している。上流側の平均流速が1m/sのとき、下流側の平均流速(m/s)として、最も近い値はどれか。ただし、管内でガスの密度は一定とする。

⑴ 0.3

⑵ 0.5

⑶ 1

⑷ 2

⑸ 4

答え

答え5

連続の式より

ρ1•π•d1^2/4•v1 = ρ2•π•d2^2/4•v2

ρ:密度、π:円周率、d:管径、v:平均流速

を用いる。

密度は一定なのでρ1=ρ2

3.14×0.2^2/4×1=3.14×0.1^2/4×v2

v2=4

問10 次の記述のうち、正しいものはどれか。

⑴ 物質の温度は、その物質が持つ熱エネルギーの量によって定まり、この量を表す単位としてワット(W)がある。

⑵ 面積1cm^3の平面に1Nの力が、垂直かつ平均に作用する場合の圧力は、1Paである。

⑶ 大気圧とは地球の表面が受けている大気による圧力をいい、標準大気圧は0.1013kPaである。

⑷ ベルヌーイの定理は、定常状態の流体において、任意の区画に入る全質量は、出る全質量に等しく、また、これに入る全エネルギーは出る全エネルギーに等しいことから導かれる。

⑸ 仕事率とは、単位時間内にどれだけのエネルギーが使われているかを表す物理量であり、単位はジュール(J)である。

答え

答え4

⑴ ×

物質の温度は、その物質が持つ熱エネルギーの量によって定まり、この量を表す単位としてジュール(J)がある。

⑵ ×

面積1cm^2の平面に1Nの力が、垂直かつ平均に作用する場合の圧力は、1Paである。

⑶ ×

大気圧とは地球の表面が受けている大気による圧力をいい、標準大気圧は0.1013MPaである。

⑸ ×

仕事率とは、単位時間内にどれだけのエネルギーが使われているかを表す物理量であり、単位はワット(W)である。

問11 水素50vol%、メタン50vol%からなる混合ガスの比重(空気を1とする。)として、最も近い値はどれか。ただし、空気の分子量相当数を29とする。

⑴ 0.2

⑵ 0.3

⑶ 0.4

⑷ 0.5

⑸ 0.6

答え

答え2

水素:H2

1mol=2g

メタン:CH4

1mol=16g

(2×0.5+16×0.5)/29

=0.31

≒0.3

問12 プロパン60vol%、ブタン40vol%からなる混合ガス1m^3を完全燃焼させるのに必要な理論空気量(m^3)として、最も近い値はどれか。ただし、空気中の窒素と酸素の体積比は4:1とし、気体はいずれも標準状態(0°C、0.1MPa)とする。

⑴ 26

⑵ 28

⑶ 30

⑷ 32

⑸ 34

答え

答え2

プロパンの燃焼式:C3H8+5O2→3CO2+4H2Oより

プロパン1molの完全燃焼に必要な理論酸素量は、5mol

プロパン60vol%なので5mol×0.6=3mol

ブタンの燃焼式:C4H10+(13/2)O2→4CO2+5H2O

ブタン1molの完全燃焼に必要な理論酸素量は、13/2mol

ブタン40vol%なので13/2×0.4=2.6mol

プロパン60vol%、ブタン40vol%からなる混合ガス1m^3理論酸素量は

3mol+2.6mol=5.6mol

空気中の窒素と酸素の体積比は4:1なので、理論空気量は

5.6mol×5

=28mol

混合ガス1m^3なので28g

問13 次に示す可燃性ガスを完全燃焼させるのに必要な最小の空気量の大小関係として、正しいものはどれか。ただし、可燃性ガス及び空気は標準状態(0°C、0.1MPa)にあるものとする。

A:メタン12m^3

B:プロパン6m^3

C:ブタン4m^3

⑴ A<B<C

⑵ B<A<C

⑶ A<C<B

⑷ B<C<A

⑸ C<A<B

答え

答え3

それぞれの必要な酸素量を求めると空気量の大小関係求めることができる

メタンの燃焼式:CH4+2O2→CO2+2H2Oより

メタン1molに対し酸素2mol必要

メタン12m^3では酸素24m^3必要

プロパンの燃焼式:C3H8+5O2→3CO2+4H2Oより

プロパン1molに対し酸素5mol必要

プロパン6m^3では酸素30m^3必要

ブタンの燃焼式:C4H10+(13/2)O2→4CO2+5H2Oより

ブタン1molに対し酸素13/2mol必要

ブタン4m^3では酸素26m^3必要

よって、メタン<ブタン<プロパンになる。

問14 燃焼特性に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

⑴ n-ブタンの引火点は、プロパンの引火点より低い。

⑵ 付近に火がなくても、可燃性ガスが自然に燃焼を始める最低温度を、発火点という。

⑶ 衝撃波を伴い超音速で伝播する燃焼を、爆ごうという。

⑷ 水素の最大燃焼速度は、プロパンの最大燃焼速度より大きい。

⑸ 可燃性ガスが燃焼範囲の濃度組成にあっても、発火するには、これに必要なエネルギーの最小の限界値がある。

答え

答え1

⑴ ×

n-ブタンの引火点は、プロパンの引火点より高い

n-ブタンの引火点:-60℃

プロパンの引火点:-104℃

問15 次の記述のうち、誤っているものはどれか。

⑴ 気体には固有の臨界温度及び臨界圧力があり、臨界温度が常温以上であるプロパンやブタンは常温でも加圧により容易に液化する。

⑵ 気体は臨界温度より高い温度でも、高い圧力をかけることで、液化が可能である。

⑶ 液化ガスは、温度により液比容積が変化するので、温度上昇による容器内の液膨張に注意が必要である。

⑷ 液化ガスの蒸気圧は温度が上昇すれば高くなり、温度が降下すれば低くなる。

⑸ 温度一定で平衡状態の容器中の液化ガスは、液量の多少にかかわらず一定の飽和蒸気圧を示す。

答え

答え2

⑵ ×

気体は臨界温度より高い温度では、圧力を加えても液化しない

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