2021年度 甲種 製造 過去問クイズ(一問一答形式) ガス主任技術者試験

2021年度ガス主任技術者試験甲種の製造科目に出題された過去問を、解説付きで試験と同様全9問をクイズ形式でご用意しました。

ぜひ最後までチャレンジしてみてください。

問1 都市ガスの原料に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

イ LNGは急激な圧力低下や温度上昇により、配管中でべーパーロックが起こることがあり、送液が不可能になる等のおそれがある。

ロ キャビテーションが起こると、ポンプ効率や吐出量が急激に上昇し、この状態が継続すると羽根や胴体の一部が損傷することがある。

ハ 液撃は、弁の閉鎖やポンプの急停止等の急激な変化によって、配管内流体の運動エネルギーの一部が圧力エネルギーに変換され、流体の圧力が上昇することにより起こる。

ニ LNGの主成分であるメ夕ンの臨界温度は約-82℃と非常に低いため、常温で液化させるには高圧に圧縮する必要がある。

ホ バイオマスは、ライフサイクルの中では大気中の二酸化炭素を増加させないためカーボンニュートラルである。

答え

答え2

ロ ×

キャビテーションが起こると、ポンプ効率や吐出量が急激に低下し、この状態が継続すると羽根や胴体の一部が損傷することがある。

ニ ×

LNGの主成分であるメ夕ンの臨界温度は約-82℃と非常に低いため、常温では液化しない

問2 都市ガスの製造設備に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

イ ガスの製造プロセスのーつであるLNG気化によるプロセスは、原料であるLNGの受入設備の形態により、内航船で受け入れる1次受入基地、外航船で受け入れる2次受入基地、及びLNGローリー等で受け入れるサテライト基地に分類される。

ロ LNG船と陸上側のLNG配管を接続するアンローディングアームは、回転自在のジョイン卜とパイプを組合せたものである。

ハ LNG配管は、LNG貯槽からLNG気化器までの移送やLNG貯槽間の移送に用いられるため、低温靱性に優れた材料で配管を製作し、原則としてフランジ継手構造とする。

ニ 加圧式LPG貯槽には円筒形と球形があり、円筒形は比較的小容量の貯槽として最も経済的であるので広く使用されている。

ホ 往復式BOG圧縮機の構造は比較的複雑であり、ピストンの往復動により発生したガスの脈動を抑制するため、安全弁を設置する必要がある。

答え

答え2

イ ×

ガスの製造プロセスのーつであるLNG気化によるプロセスは、原料であるLNGの受入設備の形態により、外航船で受け入れる一次受入基地、内航船で受け入れる2次受入基地、及びLNGローリー等で受け入れるサテライト基地に分類される。

ハ ×

LNG配管は、LNG貯槽からLNG気化器までの移送やLNG貯槽間の移送に用いられるため、低温靱性に優れた材料で配管を製作し、原則として溶接継手構造とする。

ホ ×

往復式BOG圧縮機の構造は比較的複雑であり、ピストンの往復動により発生したガスの脈動を抑制するため、スナッバタンクを設置する必要がある。

問3 ガス製造所における保安電源に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

イ 非常用発電設備の容量選定にあたっては、起動する電動機の起動電流が大きく影響するため、負荷の積み上げ合計値よりも十分大きい定格容量のものが必要になる。

ロ 非常用発電設備は、停電時に短時間で起動する必要があることから、原動機にディーゼル機関やガス夕ービンを用いることはできない。

ハ 直流電源装置は、交流を出力する無停電電源装置(UPS)に比べ複雑な回路構成となる。

ニ 停電時、 UPSでは、蓄電池の放電により整流部を経由して交流出力される。

ホ 常用発電設備は、電気事業法の「発電所」には該当しない。

答え

答え4

ロ ×

非常用発電設備は、停電時に短時間で起動する必要があることから、原動機にディーゼル機関やガス夕ービン、ガスエンジンなどが用いられる

ハ ×

直流電源装置は、交流を出力する無停電電源装置(UPS)に比べ単純な回路構成となる。

ニ ×

停電時、 UPSでは、蓄電池の放電によりインバーター部を経由して交流出力される。

ホ ×

常用発電設備は、電気事業法の「発電所」には該当する

問4 ガスの熱量・比重の測定に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

イ ガス事業法では、ガスの熱量はガスクロマトグラフ法によって得られた成分組成から計算によって求める方法と、ブンゼン-シリング法によって測定する方法が規定されている。

ロ ガスクロマトグラフにおいて、試料ガスの各成分の移動速度は、カラム中の固定相に対する溶解性や吸着性が強いほど速くなる。

ハ ガスクロマ卜グラフの水素炎イオン化検出器(FID)は、無機化合物、有機化合物のいずれも検出できるが、 一般に熱伝導度検出器(TCD)より感度が低い。

ニ ガスクロマトグラフでは、クロマトグラフのそれぞれのピークの面積を、同一条件下で得られるキャリアガスのピーク面積と比較し、各成分を定量する。

ホ ガス比重とは、同一温度及ぴ同一圧力における等しい体積のガスと乾燥空気の質量の比と定義される。

答え

答え4

イ ×

ガス事業法では、ガスの熱量はガスクロマトグラフ法によって得られた成分組成から計算によって求める方法と、ユンカース式流水形ガス熱量計を用いて測定する方法が規定されている。

ロ ×

ガスクロマトグラフにおいて、試料ガスの各成分の移動速度は、カラム中の固定相に対する溶解性や吸着性が強いほど遅くなる

ハ ×

ガスクロマ卜グラフの一般に熱伝導度検出器(TCD)は、無機化合物、有機化合物のいずれも検出できるが、 一般に水素炎イオン化検出器(FID)より感度が低い。

ニ ×

ガスクロマトグラフでは、クロマトグラムのそれぞれのピークの面積を、同一条件下で得られる混合標準ガス又は純ガスのピーク面積と比較し、各成分を定量する。

問5 都市ガスの付臭に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

イ 付臭剤は、一般に存在するにおい(生活臭)とは明瞭に区別でき、ドキッとさせるインパクトを持った警告臭であり、極めて低い濃度でも特有の臭気が認められる必要がある。

ロ 臭気濃度とは、試料ガスを無臭の不活性ガスで徐々に希釈していった場合に、感知できる最大の希釈倍数をいう。

ハ ジメチルサルファイド(DMS)は、比較的土壌透過性が高く、一般に単独で使用される。

ニ 液体注入方式の1つであるポンプ注入方式は、 小容量のダイヤフラムポンプ等により付臭剤を注入する方式で、ガス量の変動に対応してポンプの吐出バルブの開度を変化させ、ガス中の付臭剤濃度を常に一定に保つことができる。

ホ パネル法は、あらかじめ適正に選定された臭気の判定者4名以上により、においの有無を判定し、ガスの臭気濃度を求める方法である。

答え

答え3

ロ ×

臭気濃度とは、試料ガスを無臭の空気で徐々に希釈していった場合に、感知できる最大の希釈倍数をいう。

ハ ×

ジメチルサルファイド(DMS)は、比較的土壌透過性が高く、一般に他の付臭剤と混合して使用される。

ニ ×

液体注入方式の1つであるポンプ注入方式は、 小容量のダイヤフラムポンプ等により付臭剤を注入する方式で、ガス量の変動に対応してポンプのストロークと回転数を変化させ、ガス中の付臭剤濃度を常に一定に保つことができる。

問6 製造設備の地震対策に関する次の記述について、「 」の中の(イ)〜(ニ)にあてはまる語句の組合せとして最も適切なものはどれか。

地震対策は、①設備対策、②緊急対策、③復旧対策で構成される。

① 設備対策は、地震による「イ」を防ぐため、設備の「ロ」に応じた耐震設計を行い、耐震性能の維持を図るため定期的な維持管理を行うことが基本である。

② 緊急対策は、地震発生時の「ハ」を防止し、「ニ」ことが基本である。

③ 復旧対策は、緊急措置を講じた後、速やかに被災設備の復旧を図ることを目的とする。

⑴(イ)被害 (ロ)重要度 (ハ)二次災害 (ニ)保安を確保する

⑵(イ)被害 (ロ)形状 (ハ)設備の緊急停止 (ニ)ガス送出を継続する

⑶(イ)設備の変形 (ロ)重要度 (ハ)設備の緊急停止 (ニ)ガス送出を継続する

⑷(イ)設備の変形 (ロ)形状 (ハ)設備の緊急停止 (ニ)保安を確保する

⑸(イ)被害 (ロ)重要度 (ハ)二次災害 (ニ)ガス送出を継続する

答え

答え1

(イ)被害 (ロ)重要度 (ハ)二次災害 (ニ)保安を確保する

問7 製造設備の建設及び操業に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

イ 都市ガスの需要は、時間的な使用量の変動や、季節的な需要の変動があり、「ベースロード」と呼ばれる需要に対応する設備にはガスの発生・停止が容易な設備を選ぶ。

ロ 事業場のレイアウトを設計する際に留意する必要がある事業法で定める「離隔距離」とは、可燃性のガス又は液化ガスを通ずるガス工作物と、ボイラー等の火気を取り扱う設備との距離のことである。

ハ レベル1地震動とは、供用期間中に発生する確率の高い地震動であり、それに対する耐震性能評価は、 弾性設計法により、耐震上重要な部位に生ずる応答塑性率が許容塑性率を超えないことを確認する。

ニ LNG船の入港日は、売主や買主等との調整が必要であり、事前に綿密な受入計画を作成するため、船舶トラブルや気象海象の影響を考慮した在庫確保は必要ない。

ホ 設備の巡視、点検の結果、技術基準に適合しない事項を発見した場合は、速やかに改善を実施すれば記録に残す必要はない。

答え

答え5

イ ×

都市ガスの需要は、時間的な使用量の変動や、季節的な需要の変動があり、「ピークロード」と呼ばれる需要に対応する設備にはガスの発生・停止が容易な設備を選ぶ。

ロ ×

事業場のレイアウトを設計する際に留意する必要がある事業法で定める「火気設備との距離」とは、可燃性のガス又は液化ガスを通ずるガス工作物と、ボイラー等の火気を取り扱う設備との距離のことである。

ハ ×

レベル1地震動とは、供用期間中に発生する確率の高い地震動であり、それに対する耐震性能評価は、 弾性設計法により、耐震上重要な部位に生ずる応力が部材の有する許容応力を超えないことを確認する。

ニ ×

LNG船の入港日は、売主や買主等との調整が必要であり、事前に綿密な受入計画を作成するとともに、船舶トラブルや気象海象の影響を考慮した在庫確保が必要である

ホ ×

設備の巡視、点検の結果、技術基準に適合しない事項を発見した場合は、必ず記録する必要がある

問8 製造設備の保全に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

イ エロージョンコロージョンとは、腐食性流体が高流速である場合等、流体の衝突や摩擦等により金属表面から腐食生成物が除去され続け、腐食速度が大きくなる現象をいう。

ロ ステンレス鋼のすきま腐食の原因として、すきま内に塩化物イオンが蓄積するとともに、pHが上昇して不動態が破壊され、すきまの外の部分との問に腐食電池を形成することがあげられる。

ハ 粒界腐食とは、金属や合金の粒界又は粒界に沿った狭い部分が優先的に腐食する現象であり、ステンレス鋼がある種の熱影響を受けた後であれば腐食環境にさらされていなくとも生ずる。

ニ 放射線透過試験(RT)は、欠陥の形状をフィルム上に投影された像として見ることができるので、わかりやすくて直観性がある。

ホ 超音波探傷試験は、割れのような平面欠陥の検出に適しており、検査できる厚さは他の方法よりも薄い。

答え

答え3

ロ ×

ステンレス鋼のすきま腐食の原因として、すきま内に塩化物イオンが蓄積するとともに、pHが低下して不動態が破壊され、すきまの外の部分との問に腐食電池を形成することがあげられる。

ハ ×

粒界腐食とは、金属や合金の粒界又は粒界に沿った狭い部分が優先的に腐食する現象であり、ステンレス鋼がある種の熱影響を受けた後に腐食環境にさらされた時に生じる

ホ ×

超音波探傷試験は、割れのような平面欠陥の検出に適しており、検査できる厚さは他の方法よりも厚い

問9 環境対策及び省エネルギーに関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

イ サーマル丿ックス(Thermal NOx)を抑制する方法として、燃焼炉内に水又は蒸気を直接吹き込み燃焼温度を下げる方法がある。

ロ LNG基地におけるエネルギー使用の合理化に有効な施策として、LNG冷熱利用設備、圧力回収設備、工場温排水利用設備の導入による未利用エネルギーの活用が挙げられる。

ハ モー夕ーのようなコイル要素を持った負荷を運転する場合は、電圧に比べ電流が遅れた波形になるので、進相コンデンサを用いて力率を1に近づけることが省エネルギー上有効である。

ニ 液-ガス熱量調整方式は高温熱源を活用するため、プラントの高効率化に資するものである。

ホ 空気液化分離において寒冷発生サイクルにLNGの冷熱を直接使用することで、冷凍機等の建設コストの低減が図れる。

答え

答え1

ニ ×

液-ガス熱量調整方式は低温熱源を活用するため、プラントの高効率化に資するものである。

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