論述試験問題ガス技術【消費機器】① 業務用厨房でのCO中毒事故 解答例

2022年のガス主任技術者試験(甲種・乙種・丙種)の論述試験問題(ガス技術)消費機器で出題された問題の解答例になっております。

ぜひ参考にしていただければと思います。

問題文

業務用厨房で使用されるガス消費機器による一酸化炭素中毒事故に関する以下の2点について、具体的に複数述べよ。
・事故の形態の発生原因
・事故を防止するためにガス小売事業者が実施すべき ①周知、②調査(点検)、③その他の防止改善策

解答例

事故の形態

・業務用厨房機器は家庭用に比べて、燃焼量が大きく多くの機器を同時に長時間使用するため十分な換気を行う必要がある。
・換気が不十分な場合や換気設備・機器の維持管理不足や経年劣化している場合に、ガスの不完全燃焼で一酸化炭素が発生し、吸入してしまうことで一酸化炭素中毒を引き起こす。
・業務用厨房機器は家庭用に比べて安全装置が装備されている機器が少なく、CO警報器の未設置の場合にも一酸化炭素中毒事故に繋がる。

事故原因

☆1・換気設備の運転忘れ
☆2・換気設備の不備・不具合による不動、排気漏れ
☆3・換気設備の清掃不足等による能力低下
☆4・機器の増設等による換気設備の能力不足
☆5・ガス種の適合しないガス機器の使用
☆6・機器の維持管理不足(ホコリやすすなどの汚れ、目詰まり等)
☆7・機器の消し忘れや誤操作
☆8・一次空気用エアノズルの詰まり 
☆9・機器の経年劣化
☆10・機器の長時間使用
等により室内残存酸素量が低下し不完全燃焼が起こる。

事故を防止するためにガス小売事業者が実施(留意)すべき事項

⑴ 周知
☆1・COは無臭であるため気付きにくく中毒事故を起こす危険性があること
☆2・機器使用時には必ず換気設備を使用すること
☆3・機器と換気設備の定期清掃と定期点検を実施すること
☆4・使用時に燃焼状態を確認すること
☆5・機器使用時に気分が悪くなった場合に、速やかに使用を中止しガス事業者への連絡すること
☆6・CO警報器設置の推進について
☆7・使用後は消火を確認しガス栓を開止すること
☆8・正しい利用方法について
☆9・使用中は火元を離れないこと
☆10・ガスを長期間使用しない場合や使用を再開する場合のガス事業者への連絡すること
☆11・機器を扱う全ての使用者に上記を周知していただくように依頼

⑵ 調査
☆1・給排気設備が正常に作動すること
☆2・排気筒に異常がなく正常に排気されていること
☆3・機器が供給するガス種に適合していること
☆4・機器の燃焼状態を確認し黄色の炎ではないこと
☆5・CO警報器が設置されている場合、通常の監視状態であること、有効期限内であること

⑶ その他の防止改善策
☆1・事故事例の多い機種を所有している顧客へ周知強化・ダイレクトメールの送付
☆2・外国人労働者向けの周知ツールの作成・配布
☆3・開栓時やメーター交換時など様々な業務機会を通じて警報器の設置促進、安全装置が取付された機器への取替提案、機器の使用上の注意事項の周知、安全機能に関する周知を行う
☆4・使用している機器の種類・型式・数を把握し必要に応じて周知

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【2024年度版】論述問題が合格のカギ⁉︎ガス主任技術者試験【消費機器】ガス技術論述問題の攻略法や解答をわかりやすく解説|カクカク資格
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