論述試験問題ガス技術【消費機器】② 家庭用ガス機器の火災事故・爆破事故 解答例

2021年のガス主任技術者試験(甲種・乙種・丙種)の論述試験問題(ガス技術)消費機器で出題された問題の解答例になっております。

ぜひ参考にしていただければと思います。

問題文

以下の3点についてそれぞれ複数述べよ。
・家庭用ガス機器の使用及び設置に係わる火災事故・爆発事故の原因及び具体事象。
・家庭用ガス機器とガス栓との接続に係わる火災事故・爆発事故の原因及び具体事象。
・家庭用ガス機器(ガス栓との接続を含む。)における火災事故・爆発事故を防止するためにガス小売事業者が実施すべき具体的な内容。

解答例

事故原因

⑴ コンロ
●・てんぷら火災:使用中に目を離すなどして油を加熱し続け発火温度(370°C)に達し、自然発火する火災
●・グリル火災:使用中に目を離すなどして、食材や油かすが過熱し、排気口から噴出した炎による火災
●・消し忘れ火災:消し忘れによる異常過熱で発生する火災
●・着衣着火:調理中にこんろの火が衣服に燃え移る火災
●・立消えによる火災:吹きこぼれ等により立消えした場合、炎口から漏出したガスに気付かず再着火すると火災に至る。

⑵ コンロ・炊飯器・ファンヒーター・ストーブなど
☆1・使用者の誤操作
☆2・ガス種の適合しないガス消費機器の使用
☆3・機器の手入れ不足
☆4・機器の消し忘れ
☆5・機器・接続具の劣化
☆6・可燃物との離隔距離不足
☆7・ガス栓と本来の接合方法以外で接続

⑶ 衣類乾燥機
・衣類に残った油分が衣類乾燥機内で自然発火する。

⑷ ガス栓
☆1・ガス栓と本来の接合方法以外で接続
☆2・誤開放による漏えい
☆3・機器、接続具の劣化
☆4・不使用ガス栓の誤開放
☆5・不適切な使用
☆6・意図的にガスを漏出
☆7・故障によりガス閉止不可
☆8・製品不良
☆9・間違った設置場所への設置

<事故を防止するためにガス小売事業者が実施(留意)すべき事項>

⑴ 周知
☆1・機器の正しい利用方法の説明
☆2・機器や接続具に異常がないか確認後点火する
☆3・機器の周囲に可燃物を置かない
☆4・機器使用中は火元を離れない
☆5・機器使用後は消火を確認しガス栓を開止する
☆6・ガス栓、接続具、機器の定期メンテナンスの実施
☆7・異常を感じた場合、元バルブ開止およびガス事業者への連絡
☆8・ガスを長期間使用しない場合や事業を再開する場合のガス事業者への連絡☆9・都市ガス警報器が設置されていなければ設置のお願い
☆10・壁との離隔距離や壁材が不適当な場合に使用を続けた場合の危険性周知や改善依頼
☆11・安全装置の不良や接続具の不良を発見した場合は、改善依頼や使用禁止を通知

⑵ 調査
☆1・機器・接続具に不具合がないこと
☆2・機器が供給するガス種に適合していること
☆3・機器の周囲に可燃物が置かれていないこと
☆4・警報器が設置されている場合、通常の監視状態であること、有効期限内であること
☆5・正しい接続具で機器と接続されていること

⑶ その他の防止改善策
☆1・事故事例の多い機種を所有している顧客へ周知強化・ダイレクトメールの送付
☆2・外国人労働者向けの周知ツールの作成・配布
☆3・開栓時や定期保安検査時など様々な業務機会を通じて警報器の設置促進、安全装置が取付された機器への取替提案、機器の使用上の注意事項の周知、安全機能に関する周知、適切な接統具の使用に関する周知を行う
☆4・使用している機器の種類・型式・数を把握し必要に応じて周知
☆5・ヒューズ機能付きガス栓やガスコンセントへの取替えを促進
●・Siセンサーコンロを推奨
●・全口がセンサー付でないコンロは、センサーの付いた口の使用を推奨

論述試験問題(ガス技術)消費機器の攻略法や詳しい解説を知りたい方は下記のサイトでご確認ください。
論述問題が合格のカギ⁉︎ガス主任技術者試験の論述問題ガス技術【消費機器編】攻略法や解答をわかりやすく解説|カクカク資格
約18000字と長文になっておりますので目次機能を有効活用していただければ幸いです。 はじめに こちらのページでは、論述試験のガス技術【消費機器】の問題の攻略法や解答を中心に解説させていただきます。 ※論述試験(ガス技術)消費機器では、甲種...