ガス主任技術者試験乙種の製造科目で過去に出題された問題の中から9問抜粋し、Web上で解答できる無料クイズサイトを作成しました。
最後の「復習(理解力テスト)」では、1~9問と同じ内容の問題を掲載しております。解答後に正答率が表示されますので、復習に活用してください。
問1 ガス井とLNG出荷基地及びLNGの製造プロセスに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 遊離形ガスは、少量の液体を伴って産出するもので、この種のガス井は一般に抗口で10~40MPaの圧力がかかっている。
⑵ 液化プロセスの基本的な原理は、高圧下にある流体を低圧にして得られる温度低下を利用したものである。
⑶ 水溶形ガスは、原油に溶解しており、原油と一緒に産出する。
⑷ 重質分除去のプロセスでは、低温で固化するペンタンやヘブタン等の重質分を除去する。
⑸ ガスの脱水や脱湿は、主にガスハイドレート(水分と天然ガスが結合した雪状の固体物質)の生成を防ぐために行う。
答え3
水溶形ガスは、水に溶解しており、地下水と一緒に産出する。
問2 LNG設備に関する次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。
イ LNG貯槽の保冷材は、適切な強度を有し、低温域での熱伝導率が小さいこと、吸水率が大きいこと、難燃性・耐熱性に優れていることが要求される。
ロ ボイルオフガス(BOG)圧縮機には往復式レシプロ型や遠心式等があり、一般的にレシプロ型は、設備費は高いが効率が高いため動力費は小さい。
ハ LNGポンプは軸封部からのガス漏れを防止するため、ポンプとモーターを一体でポンプケーシングに入れた封部の無いサブマージド式を用いる。
ニ オープンラック式LNG気化器を構成しているパネルの材質は低温ぜい性及び成形性からアルミニウム合金を用いており、海水と接するフィンチューブ表面には防食としてアルミ亜鉛合金の溶射が施されている。
ホ LNGローリーは、内槽と外槽からなる金属二重設構造であり、内外槽間は断熱材が充てんされ不活性ガスが注入されている。
⑴イ、ロ ⑵イ、ホ ⑶ロ、ニ ⑷ハ、ニ ⑸ハ、ホ
答え2
イ ×
LNG貯槽の保冷材は、適切な強度を有し、低温域での熱伝導率が小さいこと、吸水率が小さいこと、難燃性・耐熱性に優れていることが要求される。
ホ ×
LNGローリーは、内槽と外槽からなる金属二重設構造であり、内外槽間は断熱材が充てんされ真空状態に保たれている。
問3 LNGが気化した天然ガスをLPGで増熱して46MJ/m^3の供給ガスを1,000m^3製造する場合の天然ガスの使用量(m^3)として最も近い値はどれか。ただし、天然ガス及びLPG(ガス)の発熱量は以下のとおりとする。
m^3:標準状態におけるガスの状態
天然ガス:発熱量40 (MJ/m^3)
LPG(ガス):発熱量100 (MJ/m^3)
⑴100 ⑵420 ⑶630 ⑷900 ⑸950
答え4
天然ガス量をnとすると
1000×46=n×40+(1000-n)×100
n=900
問4 都市ガスの付臭に関する次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。
イ 付臭剤は、主にターシャリーブチルメルカプタン(TBM)、テトラヒドロチオフェン(THT)、ジメチルサルファイド(DMS)等の有機硫黄化合物を単一又は混合したものが用いられる。
ロ パネル法とは、臭気を測定しようとする試験ガスに空気を用いて希釈し、あらかじめ適正に選定された夏気の判定者4名以上により、においの有無を判定し、ガスの臭気濃度を求める方法である。
ハ 検知管法とは、検知剤が充てんされた検知管に一定量の試験ガスを通し、検知剤の変色長さから付臭剤成分濃度を求める方法である。
ニ TBM、THT、DMSのうち、水に対する溶解度(質量%、20℃)が最も大きいのはTBMである。
ホ 滴下注入方式は、比較的規模の大きい付臭設備に最適な注入方式である。
⑴イ、ハ ⑵イ、ニ ⑶ロ、ハ ⑷ロ、ホ ⑸ニ、ホ
答え5
ニ ×
TBM、THT、DMSのうち、水に対する溶解度(質量%、20℃)が最も大きいのはDMSである。
ホ ×
滴下注入方式は、小規模の付臭設備に用いられる。
問5 計測機器に関する次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。
イ ブルドン管式圧力計は、構造が簡単で測定範囲が広く、一般的に高圧の測定に適している。
ロ ベローズ式圧力計は、差圧、絶対圧の測定が可能である。
ハ 振動式圧力計は、ダイヤフラムの変位を静電容量の変化に置き換え圧力を測定する。
ニ 超音波式流量計は、流体が腐食性のものやスラリー状のもの及びダスト含有のものの影響を受ける。
ホ バイメタル式温度計は、膨張率の異なる金属を張り合わせてその収縮差による変形により温度を指示する。
⑴イ、ロ ⑵イ、ニ ⑶ロ、ホ ⑷ハ、二 ⑸ハ、ホ
答え4
ハ ×
静電容量圧力計は、ダイヤフラムの変位を静電容量の変化に登き換え圧力を測定する。
ニ ×
超音波式流量計は、流体が腐食性のものやスラリー状のもの及びダスト含有のものの影響を受けない。
問6 都市ガス製造設備の耐震設計に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 平底円筒形の液体貯槽では、スロッシング(貯槽内の内部液体が長周期の地震動により共振する現象)に対する耐震設計が必要である。
⑵ レベル1 地震動に対する耐震性能評価においては、「弾性設計法」により、耐震上重要な部材に生じる応力が部材の有する許容応力を超えないことを確認する。
⑶ レベル2地震動とは、供用期間中に発生する確率は低いが高レベルの地震動をいい、これに対応した耐震設計では、構造物の塑性変形能力を期待した設計法により評価する。
⑷ 設備の重要度には、「製造・送出上の重要度」と「災害危険度による重要度」のそれぞれについて係数を設定しており、耐震設計にはいずれか大なるものを用いる。
⑸ 設計地震動は、水平と鉛直の2方向を考慮し、一般的に水平方向の地震力は、鉛直方向の地震力の1/2で評価する。
答え5
設計地震動は、水平と鉛直の2方向を考慮し、一般的に鉛直方向の地震力は、水平方向の地震力の1/2で評価する。
問7 地震発生を想定した緊急措置要領に関する次の記述について、「 」の中の(イ)~(ホ)あてはまる語句の組合せとして最も適切なものはどれか。
製造所においては、緊急措置が「イ」かつ的確に行えるように地震発生を想定した緊急措置要領を作成し、具体的な手順について関係者に周知徹底しておく必要がある。緊急措置要領には下記の事項を整備しておくとよい。
① 緊急措置
・ガス製造停止判断基準
・ガス製造停止及び「ロ」
・「ハ」防止装置
・地震直後の設備点検措置がお茶
②情報収集
・「ニ」情報収集活動
・外部、内部への連絡要領
③「ホ」
・被害箇所に応じた「ホ」要領
⑴(イ)迅速 (ロ)復旧作業 (ハ)二次災害 (ニ)避難 (ホ)応急措置
⑵(イ)迅速 (ロ)保安措置 (ハ)二次災害 (ニ)被害 (ホ)応急措置
⑶(イ)確実 (ロ)保安措置 (ハ)一次災害 (ニ)避難 (ホ)復旧対策
⑷(イ)確実 (ロ)復旧作業 (ハ)一次災害 (ニ)避難 (ホ)復旧対策
⑸(イ)迅速 (ロ)保安措置 (ハ)一次災害 (ニ)被害 (ホ)復旧対策
答え2
問8 環境対策に関する次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。
イ 燃焼排ガスの一部を燃焼用空気に混入することで、燃焼速度を遅らせて、フューエル(Fuel)NOxの生成を抑制できる。
ロ 省エネルギー施策の一環として、LNGの冷熱利用があり、冷熱発電、空気液化分離、液化炭酸製造の分野で実用化されている。
ハ 電気エネルギーの管理上、電動機は用途に適した種類及び容量の機器を選定し、50%程度の負荷運転が望ましい。
二 燃焼に際しては、過剰空気率が上昇すると排ガス顕熱による熱損失が増加し、燃料原単位が増加する。従って、過剰空気率の低減が省エネルギーにつながる。
ホ 配電における電力損失は、電圧の2乗に反比例する。
⑴イ、ハ ⑵イ、ホ ⑶ロ、二 ⑷ハ、ニ ⑸ハ、ホ
答え1
イ ×
燃焼排ガスの一部を燃焼用空気に混入することで、燃焼速度を遅らせて、サーマルNOxの生成を抑制できる。
ハ ×
電気エネルギーの管理上、電動機は用途に適した種類及び容量の機器を選定し、80~100%程度の負荷運転が望ましい。
問9 原料受払い計画に関する次の記述について、「 」の中の(イ)~(ニ)にあてはまる語句の組合せとして最も適切なものは(1)~(5)のどれか。
・LNG貯槽内のロールオーバー現象の発生を防止するため、貯槽内のLNGの「イ」の密度分布(温度分布)を常時監視することが必要である。
・LNG受入れ時には、大量の「ロ」が発生するので、その処理方法・電力デマンド管理などが必要となる。
・LNG貯槽内のLNGは、外部からの入熱により「ハ」が進んでいく。その度合いは貯槽レベルに 「ニ」、その進行状況を加味した上での熱量管理が重要である。
⑴(イ)水平方向 (ロ)ボイルオフガス(BOG) (ハ)濃縮(熱量上昇) (ニ)よらず一定であり
⑵(イ)水平方向 (ロ)不活性ガス (ハ)希釈(熱量低下) (ニ)よって異なり
⑶(イ)高さ方向 (ロ)ボイルオフガス(BOG) (ハ)濃縮(熱量上昇) (ニ)よらず一定であり
⑷(イ)水平方向 (ロ)不活性ガス (ハ)希釈(熱量低下) (ニ)よらず一定であり
⑸(イ)高さ方向 (ロ)ボイルオフガス(BOG) (ハ)濃縮(熱量上昇) (ニ)よって異なり
答え5