ガス主任技術者試験丙種の製造科目で過去に出題された問題の中から9問抜粋しました。
問1 LPガスに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ プロパンガスの比重は、標準状態で約1.5であり、空気よりも重い。
⑵ 液状プロパンの体積は、15°Cから60°Cに温度が上昇すると約20%増加する。
⑶ プロパンの燃焼範囲は、空気との混合割合で2.1~9.5%である。
⑷ LPガスの再液化は、容器の温度と調整器入口の温度が同じ場合は起こらないが、容器温度のほうが低い場合に途中の配管等で起きることがある。
⑸ LPガス中に含まれる微量の水分が氷又は固体水和物となって調整器のノズルを閉そくすることがあり、これを調整器の内部凍結現象という。
答え4
LPガスの再液化は、容器の温度と調整器入口の温度が同じ場合は起こらないが、容器温度のほうが高い場合に途中の配管等で起きることがある。
問2 特定製造所に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 特定製造所を急傾斜地に設置する場合は、土留施設に水抜穴を設ける等、急傾斜地の崩壊を防止する措置を講じる。
⑵ 地盤面下に直接埋設されたバルク貯槽にあっては、バルク貯槽の埋設場所を明示するため、バルク貯槽の埋設場所の水平投影面の四隅に標識杭を設ける。
⑶ 特定ガス発生設備に障壁があり、貯蔵能力3t未満であれば、第二種保安物件までの離隔距離は、バルク貯槽、容器とも0mでよい。
⑷ バルク貯槽と火気設備の離隔距離が確保できない場合には、ガスが流動することを防止するため、高さ1.8mの防火壁を設ける。
⑸ 貯蔵能力3t以上のバルク貯槽にあっては、能力単位B-10以上の消火器を3個以上設置するだけでなく、防火設備(散水設備又は水消火栓)も設置する。
答え4
バルク貯槽と火気設備の離隔距離が確保できない場合には、ガスが流動することを防止するため、高さ2mの防火壁を設ける。
問3 ボンベハウスの構造に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 屋根には、軽量な難燃性の材料を使用した。
⑵ 屋根には、厚さ2mm以下の薄鉄板を使用し、明かり採り用に屋根総面積の1/3に網入りガラスを使用した。
⑶ ボンベハウスの離隔距離以内に保安物件があるが、出入口の扉の前面には離隔距離が確保できたので、扉は、特定防火設備(いわゆる甲種防火戸)とした。
⑷ 自然換気のため、換気口の通風可能面積の合計を床面積1m^2につき300cm^2以上として算定し、床面に接して、換気口を2方向以上に配置した。
⑸ 床面は、平滑なコンクリート仕上げとし、地盤面より10cm以上高くした。
答え2
明かり採り用に網入りガラスを使用する場合は、屋根総面積の1/4以下にすること。
問4 貯槽の付属品及び付属設備に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ ガスの出入ロノズルは、液を受け入れるときに使用されるもので、閉止弁を介してタンクローリーとの均圧用ガス配管に接続する。
⑵ 液面計ノズルには、定期検査又は修理時、一時的に取り外すため元弁を設けるが、通常時は必ず開けておかなければならない。
⑶ ドレンノズルは、原則として2個の放出弁を2段に取り付けるが、放出弁を開放するときは2つ同時に開いて作業する。
⑷ 貯槽の液温を測定する温度計は、貯槽内の液体に接するように保護管を取り付け、保護管の温度を測定して間接的に測定する。
⑸ 安全弁の放出管は、地上5m以上あるいは貯槽の上面より2m以上のいずれか高い方の高さとする。
答え3
ドレンノズルは、原則として2個の放出弁を2段に取り付けるが、放出弁を開放するときは上部放出弁を閉じてから下部放出弁を開放する。
問5 調整装置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 二段減圧式二次用調整器の閉そく圧力とは、二次用調整器からのガスの流出がない状態での出口圧力をいう。
⑵ 2個の二段減圧式一次用調整器の出口側を共通になるように接続した自動切替式調整器では、調整器の設定圧力を高く設定したものが使用側となる。
⑶ 自動切替式調整器の表示機構とは、予備側容器からの補給が行われる状態となった場合、それを表示するための機構をいう。
⑷ 調整器の調整能力は、入口側圧力及び調整圧力の定められた範囲内で、1時間に減圧することができるLPガスの質量(kg/h)で示される。
⑸ 自動切替式一体型調整器は、二次用調整器が一次用調整器の出口側に直接連結されているか又は一体に構成されており、中間圧による供給方式の場合に使用することがある。
答え5
自動切替式一体型調整器は、二次用調整器が一次用調整器の出口側に直接連結されているか又は一体に構成されており、低圧による供給方式の場合に使用することがある。
問6 50kg 容器によるガス発生設備の運転中の巡視点検時の作業や判断に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 容器内のLPガス残量をぬれ部分の状態や液面測定用計器により確認した。
⑵ 自動切替調整器の表示機構が予備側容器からの供給を表示していたので、使用側と予備側の機能を切り替えた。
⑶ 容器の転倒防止措置(鉄棒又は鎖掛け等)が確実であることを点検した。
⑷ 自記圧力計の記録により出口圧力が規定値の上限と下限の範囲(2.55~3.20kPa)にあることを確認した。
⑸ 点検時にドレンバルブを除々に開いて、ドレンの有無を確認した。
答え2
容器の交換時以外には、使用側と予備側の機能を切り替えないこと。
問7 タンクローリーから貯槽へのLPガスの受入作業に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ タンクローリーを、定められた停車位置に正しく停車させた後、車止め等の作業を確実に行った。
⑵ 受入作業を開始する前に、貯槽の周囲において火気の使用を禁じた。
⑶ ガス主任技術者自身でなく、ガス主任技術者の指示を受けた係員が、受入責任者として受入作業を行った。
⑷ 受入責任者、移動監視者、乗務員のうちいずれか1人が、作業を終了するまで現場で立ち会った。
⑸ 所定のアースにより静電気を除去した。
答え4
受入責任者と移動監視者又は乗務員は、作業を終了するまで現場で立ち会うこと。
問8 特定ガス発生設備の地震対策に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ ボンベハウス内の容器に転倒防止措置を講じる。
⑵ 50kg容器による自然気化方式において、根元バルブ(夜取出し用根元バルブを除く)には、逆止弁付バルブを使用しない。
⑶ バルク貯槽方式や貯槽方式では、液取出弁からLPGを送り出すための液配管に、安全のため緊急遮断装置を設置する。
⑷ 特定製造所には、大きな地震時に自動的にガスの供給を停止できるようにするとともに、ガス漏えい検知装置、警報設備、防災設備等の保安防災設備を整備する。
⑸ 配管の継手部は、フランジ接合又は溶接接合とする。
答え2
50kg容器による自然気化方式において、根元バルブ(夜取出し用根元バルブを除く)には、逆止弁付バルブを使用する。
問9 特定ガス工作物等の維持管理に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 貯槽において安全弁及び液面計の検査を1年に1回行っている。
⑵ 大気温による気化装置(空温式)の検査を1年に1回行っている。
⑶ 防消火設備の検査を6ヶ月に1回行っている。
⑷ 感震自動ガス遮断装置の手動操作による遮断機能チェックを1年に1回行っている。
⑸ 調整装置の検査を1年に1回行っている。
答え1
貯槽において安全弁及び液面計の検査を6ヶ月に1回以上行うこと。