ガス主任技術者試験甲種の消費機器科目で過去に出題された問題の中から9問抜粋しました。
問1 ガス機器に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
イ 現在発売されている開放式瞬間湯沸器には、タイムスタンプ機能が搭載されており、使用回数が10万回を超えると使用できなくなる。
ロ 給湯器の自己診断機能において、給排気通路の閉そく状態を検知した場合、第1段階としてファン回転数を増加させ燃焼を改善する。
ハ ふろがまには、浴槽内の水を加熱するための熱交換器とバーナーとが一体構造になっているものと、設置の際にそれらを組合わせるものとがある。
ニ サーモスタット式混合水栓は利便性や安全性に優れ、一定温度の温水を連続して供給する浴槽用やシャワー用に適している。
ホ ファンヒーターには、過熱防止装置や熱電対を用いた不完全燃焼防止装置のほか、最近の機器では8時間で自動消火する機能が装備されている。
答え1
イ ×
現在発売されている開放式瞬間湯沸器には、タイムスタンプ機能が搭載されており、使用回数が10万回を超えるとお知らせする機能が付いている。
問2 燃焼方式に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
イ 赤火式燃焼は、燃焼室の容積を小さくする必要があり、大きくすると不完全燃焼を起こし易い。
ロ 全一次空気式バーナーは取付け方向に制約がなく、赤外線ストーブやグリル等に用いられる。
ハ 触媒燃焼バーナーは均一加熱が可能であり、その放射効率は家庭用のストーブに用いられている従来の赤外線バーナーに比べて高い。
二 濃淡燃焼に使われている濃淡バーナーは、全一次空気式バーナーとブンゼンバーナーを交互に配置させた構造である。
ホ 赤火式、ブンゼン式、全一次空気式の3つの燃焼方式の中で、炎の温度が最も高いのは、全一次空気式燃焼である。
答え3
イ ×
赤火式燃焼は、燃焼室の容積を大きくする必要があり、小さくすると不完全燃焼を起こし易い。
ホ ×
赤火式、ブンゼン式、全一次空気式の3つの燃焼方式の中で、炎の温度が最も高いのは、ブンゼン式燃焼である。
問3 ガスの燃焼に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
イ リフティングは、ガスと空気の混合気体の噴出速度に比べ、燃焼速度がバランス点を超えて速くなった時に起こる現象である。
ロ インプットの高い範囲で燃焼させた場合、ダンパー(空気調節器)を開きすぎて一次空気の吸引量が多くなりすぎるとフラッシュバックの原因となる。
ハ イエローチップの発生は、燃焼反応が十分な速さで進んでいないことを示している。
二 火移り不良は、ダンパー(空気調節器)の開きすぎで一次空気が多い場合に発生することがある。
ホ 燃焼速度は空気比に応じて変化するため、空気比を変化させると燃焼音の大きさが変化する。
答え2
イ ×
リフティングは、ガスと空気の混合気体の噴出速度に比べ、燃焼速度がバランス点を超えて遅くなった時に起こる現象である。
ロ ×
インプットの高い範囲で燃焼させた場合、ダンパー(空気調節器)を狭すぎて一次空気の吸引量が少なくなりすぎるとフラッシュバックの原因となる。
問4 業務用厨房に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
イ 調理作業が涼しく快適に行えるだけでなく、機器表面温度を抑えて食材や油などの焦げ付きをなくし、火傷の心配も少ない機器を低輻射熱機器という。
ロ 業務用厨房の置換換気システムの代表例として、換気、グリスフィルター、照明などの各種機能を一体化させた「換気天井システム」がある。
ハ パルス燃焼式フライヤーは、熱交換器部分の熱伝達率が従来の浸管式に比べ高く、昇温時間を短縮できる。
ニ スチームコンベクションオーブンは、オーブン機能に加え蒸気を使った自在な温度制御により、「焼く」「蒸す」「煮る」の調理が可能である。
ホ 蒸し器は、蒸気を直接食品に接触させて調理する機器であり、食品の型崩れや栄養分等の流出が少ない。
答え5
全て正しい。
問5 ガス冷暖房及びコージェネレーションシステムに関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
イ GHPの暖房サイクルにおけるガスエンジンの排熱は、温水として回収され、冷媒の加熱に用いられる。
ロ 冷凍機の能力を表す単位として、慣例的に冷凍トン(RT)が用いられ、1冷凍トンは、0℃の水1トンを12時間で0℃の氷にするために取り去る熱量をいう。
ハ 二重効用吸収冷凍サイクルは、二段の濃縮工程を持つため単効用に比べて冷却水に捨てられる熱の比率が小さく、COPは約2倍になる。
ニ ガスタービン式のコージェネレーションシステムは、電気出力に比べ熱出力の割合が大きく、排熱は主に蒸気として回収する。
ホ GHPのエンジンを作動させるための重要な条件として、「最適な混合比の混合ガスを適量に供給する」、「シリンダー内を適正な圧縮圧力にする」、「最適な点火時期に強い火花を飛ばす」の3条件がある。
答え4
ロ ×
冷凍機の能力を表す単位として、慣例的に冷凍トン(RT)が用いられ、1冷凍トンは、0℃の水1トンを24時間で0℃の氷にするために取り去る熱量をいう。
問6 家庭用燃料電池コージェネレーションシステムに関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
イ 燃料処理装置の脱硫器は、都市ガス中の付臭剤に含まれる硫黄分を除去する。
ロ 水蒸気改質反応は発熱反応であるため、燃焼などによる外部からの熱の供給は不要である。
ハ 家庭におけるエネルギー需要は家庭ごとに異なり予想ができないため、需要予測を前提とした運転制御を組み込んだ機種は存在しない。
二 単電池(セル)の発生電圧は約0.7Vであるが、単電池(セル)を電気的に並列接続することにより必要な電圧が得られる。
ホ 水蒸気改質によって生成した改質ガス中の水素は、すべてメタン(CH4)に含まれていたものである。
答え4
ロ ×
水蒸気改質反応は吸熱反応であるため、燃焼などによる外部からの熱の供給は必要である。
ハ ×
家庭ごとの需要予測を前提とした運転制御を組み込んだ機種も存在する。
二 ×
単電池(セル)の発生電圧は約0.7Vであるが、単電池(セル)を電気的に直列接続することにより必要な電圧が得られる。
ホ ×
水蒸気改質によって生成した改質ガス中の水素は、炭化水素と水蒸気に含まれていたものである。
問7 給排気と換気に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
イ 自然排気式(CF式)及び強制排気式(FE式)の排気筒トップの位置は、風圧帯を避けなければならない。
ロ 居室の換気扇等の使用により、CF式ふろがまの燃焼排ガスが逆風止めから浴室内に逆流し、CO中毒になる事故が発生したため、現在は不完全燃焼防止装置が装備されている。
ハ 業務用換気警報器(業務用厨房不完全燃焼警報センサー)は、血中一酸化炭素へモグロビン濃度の推定演算を行い、その値が設定値に達した時に警報を発する。
ニ 室内の適当な位置に給気口を設け、室内空気を送風機によって排出する換気方法を第2種換気といい、一般の住宅の換気はこの方法が用いられる。
ホ BF-W方式の機器の給排気部は屋外に出ていることが必要であるが、給排気部の直近に障害物があっても問題はない。
答え3
イ ×
強制排気式(FE式)の排気筒トップの位置は、風圧帯内でも設置可能。
ニ ×
室内の適当な位置に給気口を設け、室内空気を送風機によって排出する換気方法を第3種換気といい、一般の住宅の換気はこの方法が用いられる。
ホ ×
BF-W方式の機器の給排気部は屋外に出ていることが必要であり、給排気部の直近に障害物により給排気が妨げられないようにすること。
問8 ガス機器の安全装置に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
イ フレームロッド式立ち消え安全装置は、炎の整流作用を利用するため、熱電対式と比べて応答速度が遅い。
ロ 熱電対式立ち消え安全装置の起電力は交流であり、電流波形は半波整流された電流である。
ハ バイメタル式の過熱防止装置は、雰囲気温度が異常に高くなるとバイメタルが溶断する。
ニ 開放式湯沸器の不完全燃焼防止装置に用いられる逆バイアス熱電対は、電磁弁にかかる電圧を下げる役割を持つ。
ホ 調理油過熱防止装置は、鍋底の温度を検知し、約350℃に達するとガス通路を遮断する。
答え1
イ ×
フレームロッド式立ち消え安全装置は、炎の整流作用を利用するため、熱電対式と比べて応答速度が速い。
ロ ×
フレームロッド式立ち消え安全装置の起電力は交流であり、電流波形は半波整流された電流である。
ハ ×
温度ヒューズ式の過熱防止装置は、雰囲気温度が異常に高くなるとバイメタルが溶断する。
ホ ×
調理油過熱防止装置は、鍋底の温度を検知し、約250℃に達するとガス通路を遮断する。
問9 ガス接続具に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
イ ガス栓用プラグは、ガス栓のホースエンドに取り付け、迅速継手化するものである。
ロ 器具用スリムプラグは、ガス機器のホースエンドに取り付け、迅速継手化するものである。
ハ ゴム管用ソケットは、ガスソフトコードに取り付けて使用し、コンセントガス栓又はガス栓用プラグと接続する迅速継手である。
ニ ゴム管用プラグは、ガスソフトコードに取り付けて使用し、器具用ソケットと接続する迅速継手である。
ホ 器具用ソケットは、ガス機器のホースエンドに取り付けて、ゴム管用プラグと接続する迅速継手である。
答え5
全て正しい。