ガス主任技術者試験丙種の消費機器科目で過去に出題された問題の中から9問抜粋しました。
問1 ガス機器の安全装置等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ ファンヒーターの転倒時安全装置には、転倒バルブ方式や鋼球式傾斜スイッチ方式がある。
⑵ 湯沸器やふろがま等を空だきした場合にバーナーへのガス通路を閉ざす装置を空だき安全装置という。
⑶ 立ち消え安全装置には、熱電対式やフレームロッド式等があり、熱電対式は炎の導電性と整流性を利用している。
⑷ 多段式ガス量制御は、ガス通路を電磁弁の開閉により切替えてガス量を調節するものである。
⑸ 点火装置は電気エネルギーを放電により熱エネルギーに変え点火させるもので、圧電式と連続スパーク式とがある。
答え3
立ち消え安全装置には、熱電対式やフレームロッド式等があり、フレームロッド式は炎の導電性と整流性を利用している。
問2 燃焼に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 炎の低温物体への接触は、不完全燃焼の原因となる。
⑵ 一般に、気体燃料では発熱量4.19MJにつき、その理論空気量はほぼ一定であり約1m^3である。
⑶ ブタンの総発熱量は、プロパンの総発熱量より大きい。
⑷ プロパンの最大燃焼速度は、水素の最大燃焼速度より遅い。
⑸ 空気中におけるプロパンの着火温度は、ブタンの着火温度より低い。
答え5
空気中におけるプロパンの着火温度は、ブタンの着火温度より高い。
問3 ガスの燃焼方式に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
⑴ 赤火式燃焼の炎は長く伸びて赤黄色となり、他の燃焼方式に比べて温度が高い。
⑵ ブンゼン式燃焼では、内炎においてガスと二次空気の混合気体が燃焼の初期反応を起こす。
⑶ 全一次空気式燃焼は、フラッシュバックしにくい燃焼方式である。
⑷ パルス燃焼は、ブンゼン式燃焼と比べて加熱効率が低いが高負荷燃焼が可能である。
⑸ 触媒燃焼は、可燃性ガスと酸素との反応を促進させる触媒を使用した燃焼方式である。
答え5
⑴ ×
赤火式燃焼の炎は長く伸びて赤黄色となり、他の燃焼方式に比べて温度が低い。
⑵ ×
ブンゼン式燃焼では、内炎においてガスと一次空気の混合気体が燃焼の初期反応を起こす。
⑶ ×
全一次空気式燃焼は、フラッシュバックしやすい燃焼方式である。
⑷ ×
パルス燃焼は、ブンゼン式燃焼と比べて加熱効率が高く高負荷燃焼が可能である。
問4 ガス燃焼時の諸現象に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ ガスの燃焼は酸化反応であり、反応が最後まで完結しないで中間生成物(一酸化炭素、水素、アルデヒド等)を発生している状態を不完全燃焼という。
⑵ リフティングは、ガスと空気の混合気体の噴出速度に比べて、燃焼速度がバランス点を超えて速くなったときに起きる。
⑶ ガスふろがま等の熱交換器のある機器では、イエローチップにより熱交換器にすすが付着して排気ガスの排出通路を閉そくし、不完全燃焼することがある。
⑷ 火移り不良とは、着火源から全部の炎口に火が移っていないことをいい、一部の炎口の詰まりなどで炎口と炎口の間隔が広くなった場合に発生することがある。
⑸ LPガスは窒素分を含まないため、フューエルNOxは発生しない。
答え2
リフティングは、ガスと空気の混合気体の噴出速度に比べて、燃焼速度がバランス点を超えて遅くなったときに起きる。
問5 ガス温水機器に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 強制循環式のふろがまは、離れた浴槽の追いだきを行うことができる。
⑵ 湯温制御において、フィードフォワード方式とフィードバック方式を組合わせることにより、フィードバック方式単独の機器に比べ設定温度になるまでの時間を短縮することができる。
⑶ 低NOxバーナー(濃淡バーナー)の濃バーナーには空気比1.5~2.0、淡バーナーには空気比0.6程度の混合気が供給される。
⑷ 潜熱回収型給湯器には、従来の熱交換器に加え、もう一つの熱交換器が組み込まれ、約200°Cの焼排ガスから顕熱と潜熱を有効に回収する。
⑸ BF-DP式ふろがまは、CF式薄型ふろがまの取替えに用いられる。
答え3
低NOxバーナー(濃淡バーナー)の淡バーナーには空気比1.5~2.0、濃バーナーには空気比0.6程度の混合気が供給される。
問6 マイホーム発電に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ ガスエンジン発電ユニットは、ガスエンジン、発電機、インバータ、排ガス熱交換器等で構成されている。
⑵ 家庭用燃料電池コージェネレーションシステムは、LPガスから水素を取り出し、空気中の酸素と化学反応させて発電し、その過程で発生する熱も利用するシステムである。
⑶ 燃料電池ユニットは、燃料処理装置、燃料電池スタック、インバータ、熱回収装置等で構成される。
⑷ 家庭用燃料電池コージェネレーションシステムの総合エネルギー利用効率は70%を超える。
⑸ 家庭用ガスエンジンコージェネレーションシステムをエネファーム、家庭用燃料電池コージェネレーションシステムをエコウィルと呼んでいる。
答え5
家庭用ガスエンジンコージェネレーションシステムをエコウィル、家庭用燃料電池コージェネレーションシステムをエネファームと呼んでいる。
問7 業務用ガス厨房機器に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ グリドルの構造は、鍋底加熱式と浸管式の二つに分類される。
⑵ オーブンには、自然対流式と、ファンによって庫内の熱風を強制循環させる方式がある。
⑶ 立体式炊飯器は、一度に大量の炊飯を行う病院や社員食堂等で広く利用されている。
⑷ 食器洗浄機には、ラック式とコンベア式がある。
⑸ 焼物器(グリラー)は、構造によって、上火式、下火式及び両面焼式に分類される。
答え1
フライヤーの構造は、鍋底加熱式と浸管式の二つに分類される。
問8 給排気に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 自然排気式(CF式)における逆風止めは、ガス機器と同一室内で近接した位置に設置されなければならない。
⑵ 自然排気式(CF式)のふろがまは、取替えの場合を除いて、浴室内に設置してはならない。
⑶ 強制排気式(FE式)の排気筒トップは、風圧帯内に設置することができる。
⑷ 強制排気式(FE式)のガス瞬間湯沸器は、浴室内に設置することができる。
⑸ 強制給排気式(FF式)のガス瞬間湯沸器は、パイプシャフト内に設置することができる。
答え4
強制排気式(FE式)のガス瞬間湯沸器は、浴室内に設置することができない。
問9 ガス警報器又は業務用換気警報器に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 液化石油ガス用ガス警報器は、ガス漏れが発生するとその周囲のガス濃度が爆発下限界の約1/4以下の濃度で警報を発する。
⑵ 液化石油ガス用ガス警報器は、検知部から遠いガス機器の外側面までの水平距離が8m以内になるように設置しなければならない。
⑶ 液化石油ガス用ガス警報器は、換気口の空気の吹出し口から1.5m以内の位置に設置してはならない。
⑷ 業務用換気警報器は、ガス機器又はレンジフードから水平距離50cm以上、最も遠いバーナー中心から8m以内に設置しなければならない。
⑸ 業務用換気警報器は、体内のCOヘモグロビン濃度を推定し換気警報を発する。
答え2
液化石油ガス用ガス警報器は、検知部から遠いガス機器の外側面までの水平距離が4m以内になるように設置しなければならない。