ガス主任技術者試験甲種の基礎理論科目で過去に出題された問題の中で、計算を用いない問題を9問抜粋し、Web上で解答できる無料クイズサイトを作成しました。
最後の「復習(理解力テスト)」では、1~9問と同じ内容の問題を掲載しております。解答後に正答率が表示されますので、復習に活用してください。
問1 メタン、エタン、プロパンの3成分から成る気体燃料1m^3(標準状態)の理論湿り燃焼ガス量(G0)を求める式の「 」の中の(イ)~(ニ)にあてはまる数値の組合せとして適切なものはどれか。
G0=[(イ)]×A0+[(ロ)]×M+[(ハ)]×E+[(ニ)]×P
ただし、A0は理論空気量(m^3/m^3)、M、E、Pはそれぞれ気体燃料1 m^3(標準状態)の中に含まれるメタン、エタン、プロパンの体積分率(m^3/m^3)とする。
⑴(イ)1.0 (ロ)2 (ハ)3 (ニ)5
⑵(イ)0.79 (ロ)3 (ハ)7 (ニ)9
⑶(イ)0.79 (ロ)2 (ハ)3 (ニ)7
⑷(イ)0.79 (ロ)3 (ハ)5 (ニ)7
⑸(イ)1.0 (ロ)2 (ハ)3 (ニ)7
答え4
湿り燃焼ガス量=0.79+CO2+CO+H2+3CH4+5C2H6+4C2H4+7C3H8+9C4H10+N2
乾き燃焼ガス量=G-(H2+2CH4+3C2H6+2C2H4+4C3H8+5C4H10)
問2 直円管内の完全に発達した流れに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 層流における圧力損失は、流体の平均流速の二乗に比例する。
⑵ 層流の流速分布は、中心が最大流速である放物線状となる。
⑶ 乱流における管摩擦係数は、レイノルズ数や管壁面の粗さに依存する。
⑷ 層流における管摩擦係数は、レイノルズ数に反比例する。
⑸ 完全に発達した層流は、ハーゲン・ポワズイユ流れと呼ばれる。
答え1
層流における圧力損失は、流体の平均流速に比例する。
層流の圧力損失
ΔP=(32・l・u・μ)/d^2
問3 熱交換器に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 単管式熱交換器には、トロンボン形熱交換器、コイル形熱交換器などがある。
⑵ 同心の二重管の内管と環状間際に、それぞれ温度の異なる流体を通して熱交換を行うものを、二重管式熱交換器という。
⑶ 多管円筒式熱交換器はシェルアンドチューブ式熱交換器とも言われ、多数の管束を円筒形胴内に挿入したものである。
⑷ 向流形は一般に温度効率が高く、よく用いられる。
⑸ 凹凸形にプレスされた伝熱板をガスケットではさんで重ね合わせ、板の間を交互に2つの流体が流れるようにした構造の熱交換器をジャケット形熱交換器という。
答え5
凹凸形にプレスされた伝熱板をガスケットではさんで重ね合わせ、板の間を交互に2つの流体が流れるようにした構造の熱交換器をプレート形熱交換器という。
ジャケット形熱交換器:反応器や貯槽の円筒形容器の周囲にジャケットを作り、加熱又は冷却をおこなう。
問4 金属材料に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ α鉄とγ鉄では、結晶系が異なる。
⑵ 炭素鋼は一般に、炭素量が増加すると、引張強さが増し、伸びも増加する。
⑶ 面心立方品構造を有するオーステナイト系ステンレス第では、低温ぜい性は認められない。
⑷ 炭素鋼にクロムを添加すると、耐酸化性、耐熱性が向上する。
⑸ 炭素原子を固溶したγ鉄をオーステナイトという。
答え2
炭素鋼は一般に、炭素量が増加すると、引張強さが増し、伸びは減少する。
問5 高分子材料に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 熱硬化性樹脂は、一般に成形は一回しか行えない。
⑵ ポリエチレンは、熱硬化性樹脂である。
⑶ 高分子材料のクリープは常温でも生じる。
⑷ 合成ゴム材料であるNBR(ニトリルゴム)は、永久変形への耐性、耐摩耗性、耐油性に優れている。
⑸ 高分子材料の劣化機構には、熱酸化劣化、光劣化、環境応力割れなどがある。
答え2
ポリエチレンは、熱可塑性樹脂である。
問6 次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ ボイルの法則によれば、温度が一定の場合、気体の体積は圧力に反比例する。
⑵ ファン・デル・ワールスの式は、分子間引力と気体分子の体積を考慮して理想気体の状態方程式を補正する式である。
⑶ ヘンリーの法則によれば、溶解度が小さい場合、一定の温度で一定質量の液体に溶解する気体の質量は、気体の圧力に比例する。
⑷ ラウールの法則によれば、希薄溶液の蒸気圧降下は不揮発生の溶質の種類に無関係で、溶質のモル分率に反比例する。
⑸ ドルトンの分圧の法則によれば、混合気体の全圧は各成分気体の分圧の和である。
答え4
ラウールの法則によれば、希薄溶液の蒸気圧降下は不揮発生の溶質の種類に無関係で、溶質のモル分率に比例する。
問7 気体の熱力学に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。ただし、気体はすべて理想気体とする。
⑴ 理想気体を圧力一定に保って加熱した場合、与えた熱量はその気体のエンタルピー増加より大きい。
⑵ 定圧モル熱容量(Cp)は、定モル熱容量(Cv)より大きい。
⑶ 理想気体を断熱的に真空中へ自由膨張させても温度は変化しない。
⑷ 等温変化では内部エネルギー変化は0である。
⑸ 断熱圧縮では、なされた仕事は内部エネルギーの増加となり、温度が上昇する。
答え1
理想気体を圧力一定に保って加熱した場合、与えた熱量はその気体のエンタルピー増加に等しい。
問8 メタンの水蒸気改質反応に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
CH4+H2O=CO+3H2+Q1…イ
CO+H2O=CO2+H2-Q2…ロ
2CO=CO2+C-Q3…ハ
ただし、Q1〜Q3は反応熱であり、符号(+)は吸熱、符号(-)は発熱に対応する。
⑴ (イ)の反応は、温度を上げると、右方向へ進む。
⑵ (ロ)の反応は、圧力を上げると、左方向へ進む。
⑶ (ハ)の反応は、温度を下げると、右方向へ進む。
⑷ (イ)の反応は、水蒸気分圧を上げると、右方向へ進む。
⑸ (ロ)の反応は、温度を下げると、右方向へ進む。
答え2
ロの反応は平衡の状態であるので、圧力は関与しない。
問9 気体燃料の発熱量に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 燃焼により生じた水蒸気の潜熱を含めた発熱量を総発熱量という。
⑵ 可燃性ガスを不完全燃焼させた時に得られる熱量は、完全燃焼させた時より小さい。
⑶ メタン1m^3の総発熱量は約40MJである。
⑷ 一酸化炭素の総発熱量は真発熱量より大きい。
⑸ メタンやプロパンのような飽和炭化水素では、分子中の炭素数が多いほど単位体積当たりの発熱量が大きい。
答え4
一酸化炭素の総発熱量は真発熱量と同じ。