ガス主任技術者試験甲種の基礎理論科目で過去に出題された問題の中で、計算を用いない問題を9問抜粋し、Web上で解答できる無料クイズサイトを作成しました。
最後の「復習(理解力テスト)」では、1~9問と同じ内容の問題を掲載しております。解答後に正答率が表示されますので、復習に活用してください。
問1 管内流動に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 流れの中の速度ベクトルが時間変化しない場合を定常流、時間変化する場合を非定常流という。
⑵ 非圧縮性、非粘性流体の定常流では、運動エネルギー、位置エネルギー、圧カエネルギーの和は、流線上で一定である。
⑶ レイノルズ数は、流体の慣性力と粘性力の比である。
⑷ 流れの方向に内径が変化する円管内を非圧縮性流体が流れる場合、各断面を単位時間に通過する流体の質量は一定とはならない。
⑸ 層流から流速を上げていくと乱流へ遷移する。
答え4
流れの方向に内径が変化する円管内を非圧縮性流体が流れる場合、各断面を単位時間に通過する流体の質量は一定である。
問2 金属材料に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 炭素鋼は、鉄(Fe)に主な合金元素として炭素(C)を含む鋼である。
⑵ 炭素鋼に不純物として含まれるリン(P)は、硬さや引張強さを低下させる。
⑶ 炭素鋼にNi、Cr、Mn、Moなどの合金元素を添加した鋼を特殊鋼という。
⑷ 特味鋼は、その用途によって、耐熱鋼、耐食鋼、耐摩耗鋼、高張力鋼、低温用鋼などに分けられる。
⑸ ステンレス鋼は特殊鋼の一種である。
答え2
リン(P)は、硬さや引張強さを増加させ、伸びを減らす。
問3 高分子材料に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 熱可塑性樹脂は、加熱により軟化する。
⑵ 熱硬化性樹脂は、一般に成形は一回しか行えない。
⑶ 高分子材料のクリープは常温では生じない。
⑷ ポリエチレンの引張強さは、炭素鋼より小さい。
⑸ 高分子材料は、紫外線を吸収すると分解することがある。
答え3
高分子材料のクリープは常温でも生じる。
問4 理想気体の断熱変化に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 断熱膨張により温度は低下する。
⑵ 断熱膨張によって単位質量の気体がなす仕事は、断熱膨張前後の気体の温度差と定容比熱の積で求められる。
⑶ 断熱変化においては、熱の出入りがないため、内部エネルギーは変化しない。
⑷ 理想気体を断熱膨張させた場合の圧力は、同一体積まで等温膨張させた場合の圧力より低くなる。
⑸ 断熱変化においては、圧力Pと体積Vとの間に、PV^γ=ー定の関係がある。ただし、γは断熱指数(比熱比)とする。
答え3
等温変化では内部エネルギー変化は0である。
断熱変化における仕事は、W=Cv(T1-T2)なので、断熱膨張前後の気体の温度差と定容比熱の積になる。
断熱変化では、仕事分だけ内部エネルギー変化する。
問5 化学反応に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 反応速度は、一般に温度が上昇すると増大する。
⑵ アレニウス式で表される速度定数の対数は、絶対温度の逆数と一次関数の関係にある。
⑶ 触媒反応は、正反応と逆反応の両方の速度を増加させる。
⑷ 半滅期は、一次反応では初濃度に依存しないが、二次反応では初濃度に依存する。
⑸ 半減期が3分の一次反応において、反応開始から9分が経過すると反応物質の濃度は初濃度の1/6になる。
答え5
半減期の一次反応:x/3分
x=9/3
=3
1/(2^3)
=1/8
になる。
問6 可燃性ガスの燃焼に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 可燃性ガスを空気と混合したとき、着火により燃焼する混合割合の範囲を燃焼範囲という。
⑵ メタンなどの飽和炭化水素燃料は、分子中の炭素数が多いほど単位体積あたりの総発熱量が大きい。
⑶ 燃焼に使用される実際の空気量と完全燃焼に必要な理論空気量の比を空気比という。
⑷ アセチレンや水素は、メタンなどの飽和炭化水素燃料より燃焼範囲が広い。
⑸ 温度が高くなると可燃性ガスの燃焼範囲は狭くなる。
答え5
温度が高くなると可燃性ガスの燃焼範囲は広くなる。
問7 流量の測定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ ロータメーターは、流体の容積を直接測定しており、一つのメーターで多種の流体に対応できる。
⑵ 湿式ガスメーターは、ガスの容積を直接測定することで流量を求める。
⑶ ピトー管を用いると、管内の流速分布を測定することができる。
⑷ オリフィスメーターは、配管の途中に小孔を開けた隔壁を挿入し、その前後の圧力差から流量を求める。
⑸ ベンチュリメーターでは、測定に現れる頭差の大部分が下流において回復される。
答え1
ロータメーターは、ロートの変異から流量を測定(間接法)。流体ごと検定する必要がある。
問8 金属材料の許容応力と安全率に関する次の記述について「 」の中の(イ)~(ホ)にあてはまる語句の組合せとして正しいものは(1)~(5)のどれか。
・基準強さと許容応力との比を安全率と呼び、その値を普通「(イ)」としている。
・延性材料が常温において静荷重を受ける時の基準強さとして「(ロ)」を用いる。
・ぜい性材料が常温において静荷重を受ける時の基準強さとして、「(ハ)」を用いる。
・ 高温において静荷重を受ける時の基準強さとして「(ニ)」を用いる。
・繰返し応力を受ける時の基準強さとして「(ホ)」を用いる。
⑴(イ)1より小 (ロ)降伏点 (ハ)破壊強さ (ニ)クリープ限度 (ホ)疲れ限度
⑵(イ)1より大 (ロ)降伏点 (ハ)破壊強さ (ニ)クリープ限度 (ホ)疲れ限度
⑶(イ)1より大 (ロ)破壊強さ (ハ)降伏点 (ニ)破断点 (ホ)弾性限度
⑷(イ)1より小 (ロ)破壊強さ (ハ)降伏点 (ニ)クリープ限度 (ホ)弾性限度
⑸(イ)1より小 (ロ)破壊強さ (ハ)降伏点 (ニ)破断点 (ホ)弾性限度
答え2
問9 金属材料に関する次の記述のうち、正しいものの組合せは(1)~(5)のどれか。
イ 低温で急激に引張強さが低下する現象を低温ぜい性という。
ロ 体心立方晶の金属には低温ぜい性が認められない。
ハ オーステナイト系ステンレス鋼は、低温装置材料に適している。
ニ アルミニウム系合金は低温ぜい性があるため、低温材料としては使用しない。
ホ 鋼の低温ぜい性の改善にはニッケル添加が有効である。
⑴イ、ロ
⑵イ、ハ
⑶ロ、ニ
⑷ハ、ホ
⑸ニ、ホ
答え4
イ ×
低温で急激に伸び、絞り、衝撃等の靱性が低下する現象を低温ぜい性という。
ロ ×
フェライト鋼のような体心立方晶の金属には低温ぜい性がある。
ニ ×
オーステナイト鋼やAl、Cu、Ni、Agなどの面心立方金属は、低温脆性が認められない。