ガス主任技術者試験乙種の基礎理論科目で過去に出題された問題の中で、計算を用いない問題を9問抜粋し、Web上で解答できる無料クイズサイトを作成しました。
最後の「復習(理解力テスト)」では、1~9問と同じ内容の問題を掲載しております。解答後に正答率が表示されますので、復習に活用してください。
問1 気体の熱力学に関する次の記のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 熱力学の第一法則によれば、熱と仕事は等価である。
⑵ エンタルピーは、内部エネルギーに温度と体積の積を加えた量として定義される。
⑶ 熱容量とは、一定量の物質の温度を単位温度(1K)上昇させるのに必要な熱量である。
⑷ 定圧モル熱容量と定積(定容)モル熱容量の比を、比熱比(断熱指数)と呼ぶ。
⑸ 内部エネルギーは状態量である。
答え2
エンタルピー=内部エネルギー+P×V
エンタルピーは、内部エネルギーに圧力と体積の積を加えた量として定義される
問2 燃料電池に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 水素と酸素を電気化学的に反応させて継続的に発電ができる。
⑵ 電解質、アノード、カソードで構成される。
⑶ 二次電池に該当する。
⑷ 固体高分子形、リン酸形、溶融炭酸塩形、固体酸化物形等の種類がある。
⑸ 理論起電力は熱力学的に求めることができる。
答え3
燃料電池は一次電池でも二次電池で物ない
一次電池:使い捨て乾電池
二次電池:充電可能なバッテリー
問3 気体燃料の発熱量(MJ/m^3)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 気体燃料の発熱量は、含まれる可燃性ガスの組成が明らかであれば、個々のガスの発熱量などの物性値を用いて計算できる。
⑵ メタンの総発熱量は水素の総発熱量の約3倍である。
⑶ メタンの総発熱量は、プロパンの総発熱量より小さい。
⑷ メタンの場合、総発熱量と真発熱量との差は、総発熱量の1%以下である。
⑸ 一酸化炭素の総発熱量と真発熱量は等しい。
答え4
総発熱量 真発熱量
CH4: 40 35.9
C3H8: 101 93.1
CO: 12.63 12.63
H2: 12.78 10.77
問4 熱放射に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 真空中では、物体間の熱放射は生じない。
⑵ 絶対零度でない限り、物体から電磁波が絶えず放射される。
⑶ 黒体は外部から入射してくる熱放射エネルギーをすべて吸収する。
⑷ 放射率は、波長分布、表面温度、物体表面の物質と性状によって異なる。
⑸ 黒体でない物質表面では、熱放射すると同時に他の物質表面からの熱放射エネルギーの一部を吸収し、残りを反射する。
答え1
真空中でも、物体間の熱放射は生じる。
問5 材料力学に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 比例限度以下の応力では、材料の変形は外力の大きさに比例する。
⑵ 外力を取り去ると元に戻る変形を弾性変形といい、外力を取り去っても元の形に戻らない変形を塑性変形という。
⑶ 計容応カ=基準強さ(破損限度)/安全係数(安全率)で与えられる。
⑷ 材料に加わる引張力をP、原断面積をA、引張応力をσとすれば、σ=P/Aと表される。
⑸ フックの法則は応力をσ、縦弾性係数をE、縦ひずみεをもとすれば、σ=E/εと表される。
答え5
フックの法則は応力をσ、縦弾性係数をE、縦ひずみεをもとすれば、σ=E•εと表される。
問6 金属材料に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 面心立方晶金属には低温ぜい性が発生する。
⑵ 炭素鋼は一般に、炭素量が増加するに従い引張強さが増す。
⑶ 炭素鋼にNi、Cr、Mn、Moなどの合金元素を添加した鋼を特殊鋼という。
⑷ アルミニウム及びアルミニウム合金は、低温用材料として使用できる。
⑸ オーステナイト系ステンレス鋼は応力腐食割れをおこすことがある。
答え1
面心立方晶金属には低温ぜい性が発生しない。
問7 気体の溶解と拡散に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 液体中に気体が溶けて均一な状態の液体を形成することを溶解という。
⑵ 溶解する物質を溶質といい、溶解させる物質を溶媒という。
⑶ 溶解度が小さい場合、一定の温度で一定質量の液体に溶解する気体の質量は、気体の圧力に反比例する。
⑷ 温度及び圧力の等しい二種類の気体が隔壁を隔てて入っている容器で、障壁を取り去るとやがて二種類の気体のそれぞれの濃度は、容器のどこでも同じになる。
⑸ 拡散による分子の流れは、濃度の高い方から低い方に向かう。
答え3
溶解度が小さい場合、一定の温度で一定質量の液体に溶解する気体の質量は、気体の圧力に比例する。
問8 化学平衡に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 可逆反応における平衡状態では、順方向と逆方向との反応速度が等しい。
⑵ 平衡定数を用いて平衡組成を求めることができる。
⑶ モル数が変化する気体の反応では、圧力を上げると気体のモル数が減少する方向に平衡が移動する。
⑷ 発熱反応では、温度を下げると発熱量が減少する方向に平面が移動する。
⑸ 触媒は化学平衡状態(平衡組成)を変えることはない。
答え4
発熱反応では、温度を下げると発熱量が上昇する方向に平面が移動する。
問9 可燃性ガスの燃焼に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ プロパンの燃焼下限界(vol%)は、メタンの燃焼下限界(vol%)より高い。
⑵ ル・シャトリエの式で2種類以上の炭化水素類の混合物の燃焼下限界(vol%)を求めることができる。
⑶ 不活性ガスを混合すると、燃焼範囲は狭くなる。
⑷ 爆ごう範囲は、燃焼範囲より狭い。
⑸ 燃焼範囲内であっても、容器が小さいと器壁の冷却効果を受けて燃焼が維持できなくなることがある。
答え1
プロパンの燃焼下限界(vol%)は、メタンの燃焼下限界(vol%)より低い。