ガス主任技術者試験丙種の基礎理論科目で過去に出題された問題の中で、計算を用いない問題を9問抜粋しました。
問1 次に示す気体1g中に含まれる分子の数の大小関係として、適切なものはどれか。
A:窒素 B:酸素 C:プロパン
⑴ A=B=C
⑵ A<B<C
⑶ B<C<A
⑷ C<A<B
⑸ C<B<A
答え5
窒素(N2):1mol=28gなので
1g=1/28mol
酸素(O2):1mol=32gなので
1g=1/32mol
プロパン(C3H8):1mol=44gなので
1g=1/44mol
以上より
プロパン<酸素<窒素
問2 原子名 – 元素記号 – 原子量の組合せとして、誤っているものはどれか。
⑴ 炭素 – C – 12
⑵ イオウ – S – 32
⑶ 水素 – H – 1
⑷ 酸素 – O – 18
⑸ 塩素 – Cl – 35
答え4
酸素 – O – 16
問3 圧力に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 標準大気圧(1atm)は、約0.1 MPaである。
⑵ ゲージ圧力に大気圧を加えると絶対圧力になる。
⑶ 1気圧は、水銀柱760mmに相当する。
⑷ 1kPaは、1MPaの1/1000である。
⑸ 1Paは、面積1m^2の平面の上に9.8Nの力が垂直に、かつ、平均に作用する場合の圧力である。
答え5
1Paは、面積1m^2の平面の上に1Nの力が垂直に、かつ、平均に作用する場合の圧力である。
問4 次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 絶対零度は-293°Cである。
⑵ 温度が低くなるほど物質が持っている熱エネルギーは小さくなる。
⑶ 絶対温度が1K上昇することは、摂氏温度が1°C上昇することに相当する。
⑷ 質量1gの物質の温度を1℃上昇させるのに必要な熱量を、その物質の比熱という。
⑸ 標準大気圧において純水が沸騰する温度は、100℃である。
答え1
絶対零度は-273°Cである。
問5 次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 連続の式は、質量保存則を表している。
⑵ レイノルズ数は無次元数である。
⑶ ボイルの法則によれば、一定温度の下で、一定質量の気体の体積は絶対圧力に比例する。
⑷ シャルルの法則によれば、一定圧力の下で、一定質量の気体の体積は温度1°Cの上昇につき、0℃の体積の1/273ずつ増加する。
⑸ ボイルの法則とシャルルの法則を結合した法則をボイル・シャルルの法則という。
答え3
ボイルの法則によれば、一定温度の下で、一定質量の気体の体積は絶対圧力に反比例する。
問6 次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ ブタンの沸点は、プロパンの沸点より低い。
⑵ 液化ガスが気化するためには、気化熱が必要である。
⑶ 液化ガスの蒸気圧は、温度が上昇すると高くなる。
⑷ 混合液化ガスの蒸気圧は、混合割合と温度によって定まる。
⑸ 気体は、臨界温度以上であれば圧力をかけても液化しない。
答え1
ブタンの沸点:-0.5℃
プロパンの沸点:-42.04℃
よって、ブタンの沸点は、プロパンの沸点より高い。
問7 次の気体のガス比重(空気を1とする)の大小関係として適切なものはどれか。
A:エタン B:メタン C:水素 D:ブタン E:プロパン
⑴ A<B<C<D<E
⑵ A<C<B<D<E
⑶ C<A<B<E<D
⑷ C<B<A<E<D
⑸ C<B<E<A<D
答え4
残念!
分子量が大きいとガス比重も大きくなる
分子量
エタン(C2H6):30
メタン(CH4):16
水素(H2):2
ブタン(C4H10):58
プロパン(C3H8):44
より
C<B<A<E<D
問8 付臭剤に要求される性質として、誤っているものはどれか。
⑴ 毒性のないこと
⑵ 一般に存在する臭いとは、明瞭に識別されること
⑶ 極めて低い機度でも、臭気が認められること
⑷ 嗅覚疲労を起こしにくいこと
⑸ 水に溶けやすい物質であること
答え5
水に溶けにくい物質であること
問9 燃焼に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 可燃性ガスと空気からなる爆発性混合ガスに、窒素などの不活性ガスを混合すると、その量に応じて燃焼範囲は広くなる。
⑵ 実際にプロパンガスを完全燃焼させるには、理論空気量より過剰の空気が必要である。
⑶ 温度が高くなると燃焼範囲は広くなる。
⑷ 付近に火がなくても、可燃性ガスが自然に燃焼を始める最低温度を発火点という。
⑸ 衝撃波を伴い、超音速で伝播する燃焼を爆ごうという。
答え1
可燃性ガスと空気からなる爆発性混合ガスに、窒素などの不活性ガスを混合すると、その量に応じて燃焼範囲は狭くなる。