ガス主任技術者試験丙種の基礎理論科目で過去に出題された問題の中で、計算を用いない問題を9問抜粋しました。
問1 次の記述のうち、誤っているものはどれか
⑴ N (窒素)の原子量は、14である。
⑵ アボガドロ数は、約6✕10^23である。
⑶ プロパン1モルの質量は、44gである。
⑷ ブタンの分子式は、C2H6である。
⑸ 酸素分子(O2)1モルの体積は、標準状態で約22.4Lである。
答え4
ブタンの分子式:C4H10
問2 左から分子量が小さい順に並べたものとして、正しいものはどれか。
⑴ 水素 < メタン < 窒素 < プロパン
⑵ 水素< メタン < プロパン < 窒素
⑶ メタン < 水素 < 窒素 < プロパン
⑷ メタン < 水素 < プロパン < 窒素
⑸ プロパン < 水素 < 窒素 < メタン
答え1
水素(H2):分子量2
メタン(CH4):分子量16
窒素(N2):分子量28
プロパン(C3H8):分子量44
問3 次の圧力の大小関係として、正しいものはどれか。
A:1atm B:1MPa C:1000mmH2O
⑴A<C<B
⑵B<A<C
⑶B<C<A
⑷C<B<A
⑸C<A<B
答え5
1atm=0.101325MPa
1000mmH2O=0.00980665MPa
問4 次に示すガスのうち、空気より重いガスはいくつあるか。ただし、ガスはすべて標準状態とする。
イ メタン
ロ 水素
ハ 酸素
ニ プロパン
ホ ブタン
答え3
空気の分子量
窒素(N2)80%酸素(O2)20%とすると
N2=28×0.8=22.4
O2=32×0.2=6.4
22.4+6.4=28.8
分子量が28.8大きいものが空気より重いガスになる
メタン:16、水素:2、酸素:32、プロパン:44、ブタン:58
以上より、酸素、プロパン、ブタンが空気より重い
問5 燃焼に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 可燃性ガスと空気又は酸素の混合ガスが、燃焼することのできる可燃性ガスの最低濃度を燃焼下限界と呼ぶ。
⑵ 温度が高くなると燃焼能囲は狭くなる。
⑶ 窒素や炭酸ガスなどの不活性ガスを混合すると、燃焼範囲は狭くなる。
⑷ 複数の可燃性ガスを混合したガスの燃焼範囲は、ルシャトリエの式から近似的に求められる。
⑸ 可燃性ガスが燃焼範囲の濃度組成にあっても、発火するには、これに必要なエネルギーの最小の限界値がある。
答え2
温度が高くなると燃焼能囲は広くなる。
問6 次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 炭素12g中に含まれる原子の数は約6✕10^23個である。
⑵ プロパンの気体1モルは、標準状態で約22.4Lの体積を占める。
⑶ 水素分子や窒素分子は単体であり、メタン分子や酸素分子は化合物である。
⑷ 元素記号と数字を用いて分子構成を表す式を分子式という。
⑸ 炭素原子の質量を基準にして、原子の質量を相対的に表したものが原子量である。
答え3
酸素分子は単体である。
問7 分子名 – 分子式 – 分子量の組合せとして正しいものはどれか。
酸素 – O2 – 28
プロパン – C3H6 – 44
二酸化炭素 – CO2 – 42
ブタン – C4H10 – 56
窒素 – N2 – 28
答え5
酸素 – O2 – 32
プロパン – C3H8 – 44
二酸化炭素 – CO2 – 44
ブタン – C4H10 – 58
問8 次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 絶対温度は、摂氏の温度から273を減じたものである。
⑵ 比熱は、質量1gの物質の温度を1°C上昇させるのに必要な熱量である。
⑶ 水の比熱は、約4.2J/(g•K)である。
⑷ SI接頭語においては、メガ(M)はキロ(k)の1000倍を意味する。
⑸ 標準大気圧(1atm)は、約0.1MPaである。
答え1
絶対温度は、摂氏の温度から273を加えたものである。
問9 伝熱に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 伝熱の形態として、伝導、対流、輻射がある。
⑵ 一般に流動水の場合の熱伝達係数は流動空気の場合より大きい。
⑶ 固体内での熱の移動は伝導伝熱である。
⑷ 熱伝導率と熱伝達係数は、同じ単位である。
⑸ 物体表面で、熱が放射のエネルギーに変化して移動する形態を輻射伝熱という。
答え4
熱伝導率:W(m•℃)
熱伝達係数:W(m•^2℃)