過去に出題された問題の中から9問抜粋し一問一答形式のクイズをご用意しました。
問1 低圧導管の圧力解析において、標高が50m高い位置へ供給する場合の圧力補正値(kPa)として最も近い値は、次の(1)~(5)のどれか。
ただし、空気密度:1.3kg/m^3、重力加速度:10m/s^2、ガス比重:0.6とする。
⑴0.03 ⑵0.04 ⑶0.13 ⑷0.26 ⑸0.39
答え4
P:補正圧力 (kPa)、h:高低差、A:空気密度、s:ガス比重、g:重力加速度とすると
P=h•A•(g/1000)•(1-s)
P=0.26 (kPa)
問2 整圧器の二次圧力が異常上昇する原因の例として、誤っているものはどれか。
⑴ 直動式 → メインバルブシートの不具合
⑵ レイノルド式 → 低圧補助ガバナの締め切り不良
⑶ フィッシャー式 → センターステムとメインバルブの接続不良
⑷ アキシャルフロー式 → ゴムスリーブ上流側の破損
⑸ 上記型式共通 → メインバルブ、又はゴムスリーブとケージ間へのダスト類のかみ込みによる締め切り不良
答え4
アキシャルフロー式はゴムスリーブ下流側の破損が原因。上流側が破損すると二次圧力が異常低下する。
問3 ガスメーターに関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
イ 回転子式ガスメーターは、一つのまゆ型回転子を、ガスの差圧で回転させ計量する。
ロ サーマルフロー式ガスメーターは、マイクロフローセンサーによりガスの流量を計測する。
ハ 不動とは、ガスはメーターを通過するが、指針が動かなくなる故障である。
ニ マイコンメーターは、内管での少量漏れや口火の連続使用などで30日間連続してガスが流れた場合、ガスを遮断する。
ホ マイコンメーターは、遮断弁復帰操作後2分以内にガスが流れた場合、再遮断する。
答え2
イ ×
回転子式ガスメーターは、2つのまゆ型回転子を、ガスの差圧で回転させ計量する。
ニ ×
マイコンメーターは、内管での少量漏れや口火の連続使用などで30日間連続してガスが流れた場合、ガス漏れ表示する。
問4 供給計画と供給管理に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
イ 安定供給確保のために、供給設備のバックアップ化や導管をループ状に連絡すること、ガスホルダーを適切に配置することが効果的である。
ロ 導管の基幹路線、ガスホルダー等を計画するにあたり、過去のガス販売量から地域別に翌年度以降の最大日ガス需要量、最大日ピーク時ガス需要量等を推定した。
ハ ガスホルダーを需要地近くに設置することにより、ピーク時に製造所からその需要地に至る導管の輸送能力以上に需要家への供給能力を高めることができる。
ニ 低圧導管のガス流量公式においては、導管口径を2倍にすれば、管内のガス流量は8倍になる。
ホ 高圧や中圧A等レイノルズ数が10^6を超え、さらに大口径の導管のガス流量計算をする場合には、ポリフローやオリファントの流量係数を使うことができる。
答え1
ニ ×
導管口径を2倍になると√2^5になるため、約5.7倍になる
問5 導管の設計に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
イ 一般理設部における導管の管厚は、内圧及び車両荷重が同時に加えられた条件下で設計する。
ロ 導管に使用される材料の伸びやすさは、ポリエチレン管、ダクタイル鋳鉄管、鋼管(SGP)の順である。
ハ 架管に使用する伸縮継手は、架管の両端を固定することによって機能を発揮する。
ニ 中圧A以上の圧力で使用される鋼管の接合方法は、溶接、フランジ接合、機械的接合である。
ホ 道路橋に添架して河川を横断する場合には、安全な構造に設計するだけでなく、河川管理者や道路管理者等との十分な協議が必要となる。
答え2
イ ×
一般理設部における導管の管厚は、内圧及び埋戻し土による上載荷重及び車両荷重が同時に加えられた条件下で設計する。
ロ ×
導管に使用される材料の伸びやすさは、ポリエチレン管、鋼管(SGP)、ダクタイル鋳鉄管の順である。
問6 導管の工事に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
イ ウェルポイント工法は、薬液をポンプで地盤に注入し、地盤を強化する工法である。
ロ ポリエチレン管のヒートフュージョン(HF)接合では、融着状態をインジケータにより確認することができる。
ハ 埋設管のすべての溶接部を放射線透過試験で確認したので、通ずるガスの圧力で露出部のみ気密試験を行った。
ニ 溶接部の放射線透過試験を行う場合は、放射線源等から2m以内のエリアを立入禁止区城として標識等で明示しなければならない。
ホ 中圧工事において、ガスの供給停止が困難であったので活管分岐工法を採用した。
答え4
イ ×
薬液注入工法は、薬液をポンプで地盤に注入し、地盤を強化する工法である。
ロ ×
ポリエチレン管のエレクトロフュージョン(EF)接合では、融着状態をインジケータにより確認することができる。
ハ ×
埋設管のすべての溶接部を放射線透過試験で確認したので、通ずるガスの圧力で露出部及び埋設部の両方の気密試験を行った。
ニ ×
溶接部の放射線透過試験を行う場合は、放射線源等から5m以内のエリアを立入禁止区城として標識等で明示しなければならない。
問7 腐食及び防食に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
イ 電池において、電解質に電流が流出する電極のことをカソード、電解質から電流が流入する電極のことをアノードという。
ロ 流電陽極法は、導管よりも自然電位がプラス側の金属を接続することで、導管へ防食電流を流入させ、防食する方法である。
ハ マクロセル腐食には、通気差、コンクリート/土壌、異種金属接触等によるものがある。
二 鋼管の場合、管対地電位(飽和硫酸銅電極基準)が-850mV以下になると過防食といわれている。
ホ 黄銅バルブと鋼管が土壌中で電気的に接続されている場合、鋼管が腐食する。
答え3
イ ×
電池において、電解質に電流が流出する電極のことをアノード、電解質から電流が流入する電極のことをカソードという。
ロ ×
流電陽極法は、導管よりも自然電位がマイナス側の金属を接続することで、導管へ防食電流を流入させ、防食する方法である。
二 ×
鋼管の場合、管対地電位(飽和硫酸銅電極基準)が-2000mV以下になると過防食といわれている。
問8 導管の溶接及び非破壊試験に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
イ 被覆アーク溶接は、溶接棒の心線に塗布された被覆剤によりスラグが発生する。
ロ 溶接欠陥は、寸法上の欠陥(余盛の過不足等)、構造上の欠陥(溶込み不良等)及び性質上の欠陥(引張強さ等)の3つに分けられる。
ハ 気温が極度に低い場合、溶接時の割れを防止するため予熱を行う。
ニ マグ(MAG)溶接は、シールドガスに不活性ガスのみを使用する。
ホ 超音波探傷試験は、きずまでの距離やきずの高さが測定できる。
答え1
ニ ×
マグ(MAG)溶接は、シールドガスに不活性ガスや不活性ガスに炭酸ガスを混合したものを使用する。
問9 地震対策に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
イ 高圧導管の耐震性評価では、地盤の液状化に対する検討が必要であり、そのときの許容ひずみは3.0%である。
ロ 中低圧導管の耐震性は、設計地盤変位が地盤変位吸収能力を上回るとき、耐震性を有すると評価される。
ハ 供給停止ブロックには、最小のブロックである「単位ブロック」と、いくつかの単位ブロックを一括して供給停止するための「統合ブロック」がある。
二 統合ブロックには、SI値又は最大加速度値を測定できる地震計を1つ以上設置する必要がある。
ホ 地震計のSI値が60カインを少し上回り、道路や建築物等の被害状況が直ちに確認できなかったので、供給停止を行った。
答え3
イ ×
高圧導管の液状化に対する耐震性は、地盤及び導管に生じる変位を算出し、導管の終局限界状態に対応する変位と比較して評価する。
ロ ×
中低圧導管の耐震性は、地盤変位吸収能力が設計地盤変位を上回る場合、耐震性を有すると評価される。
二 ×
統合ブロックには、SI値又は最大速度値を測定できる地震計を1つ以上設置する必要がある。