ガス主任技術者試験乙種の供給科目で過去に出題された問題の中から9問抜粋しました。
問1 低圧導管の口径、ガス圧力、ガス流量算定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 導管口径は、導管延長、ガス流量、起点と末端のガス圧力差、ガス比重、流量係数、重力加速度から算定する。
⑵ 流量係数は、ポールの係数、米花の係数が用いられることが多い。
⑶ 流量公式において、導管延長を4倍にした場合、管内のガス流量は、1/2倍となる。
⑷ 流量公式において、導管口径を2倍にした場合、管内のガス流量は4倍になる。
⑸ 高所へ供給する場合のガス圧力は、大気圧とガス比重との関係から影響を受ける。
答え4
流量公式において、導管口径を2倍になると√2^5になるため、約5.7倍になる
問2 整圧器の特性に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ パイロット式アンローディング型整圧器は、駆動圧力以上の一次圧力が確保されないとメインバルブが閉止状態となる。
⑵ 動特性は、負荷変動が大きいところに使用される整圧器にとって重要な特性である。
⑶ 静特性とは、定常状態における流量と二次圧力の関係をいう。
⑷ 流量がゼロになるとメインバルブは締切状態になる。このとき二次圧力は基準状態の圧力より高くなるが、この締切圧力と基準状態の圧力との差をロックアップという。
⑸ 特定の流量時における二次圧力を基準状態としたとき、流量が増大するに従い二次圧力は基準状態の圧力より低下する。このずれのことをオフセットという。
答え1
パイロット式アンローディング型整圧器は、駆動圧力以上の一次圧力が確保されないとメインバルブが閉止不能になる。
問3 ガスメーターに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 口径が250mmを超えるガスメーター又は圧力が10kPaを超えるガスの計量に用いるガスメーターは、計量法による検定対象外である。
⑵ 計量器の器差E(%)は次の式で表される。
E = (Q-I)/I×100
Q:基準器の指示量
I:被試験メーターの指示量
⑶ 湿式ガスメーターは、主に基準ガスメーターとして使用される。
⑷ ガスメーターのうち、膜式は実測式、タービン式は推量式に分類される。
⑸ 使用最大流量が16m^3/hを超える検定対象であるガスメーターの検定有効期間は7年である。
答え2
E = (I-Q)/Q×100
問4 導管の設計に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 内圧により直管に生じる円周方向の応力は、内径に比例する。
⑵ 内圧により直管に生じる軸方向の応力は、円周方向の応力の1/2である。
⑶ 両端が固定された直管において、温度変化による熱応力は管の長さに比例する。
⑷ 埋め戻し士による上載荷重は、導管の埋設深さに比例する。
⑸ 埋め戻し土による上載荷重や車両荷重によって、管の円周方向に生じる曲げモーメントは、管項又は管底で最大となる。
答え3
両端が固定された直管において、温度変化による熱応力は管の長さとは無関係である。
問5 低圧供内管の腐食や防食措置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 建物に引き込まれた配管は、マクロセル腐食の原因となるコンクリートに接触する機会が多い。
⑵ 屋内配管に流入した電流が埋設部の配管に流れないようにするため、一般に埋設配管部近くの架空配管部に絶縁継手を設置する。
⑶ 防食措置には、塗装、絶縁、電気防食がある。
⑷ 絶縁継手には、絶縁ねじ継手や絶縁フランジがある。
⑸ 建物内に絶縁継手を設置する場合は、壁買通部においてあらかじめ鉄筋とガス管とを電気的に導通させておく。
答え5
建物内に絶縁継手を設置する場合は、壁買通部においてあらかじめ鉄筋とガス管とを接触しないようにしておく。
問6 導管の工事に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 中圧導管の耐圧試験を最高使用圧力の1.6倍で行った。
⑵ 中圧導管の連絡工事で、ガスの減圧操作が必要だったので、供給操作計画書を作成した。
⑶ ノーブローバッグを用いるノーブロー工法は、ガスの噴出を最小限に抑えて、導管の切断や連絡工事ができる簡易な工法である。
⑷ 24時間稼働の需要家のガス停止を避けるため、活管分岐工法を採用した。
⑸ 酸素欠乏のおそれのある場所において、空気中の酸素濃度が16%であることを確認したので作業を開始した。
答え5
酸素欠乏のおそれのある場所において、空気中の酸素濃度が18%以上であることを確認したので作業を開始すること。
問7 放射線透過試験に関する次の記述について、「 」の中の(イ)~(二)にあてはまる語句等の組合せとして最も適切なものはどれか。
X線、γ線等のように非常に波長の「イ」電磁波を放射線といい、これらは、強い透過力を持っていることから溶接部の検査に用いられている。きずが試験体の内部にある場合、きずのある部分は、健全部より厚さが薄いため散乱線量が「ロ」なり、健全部よりも強い放射線が透過される。これを放射線フイルムで露光すると、きずの大きさ、形状が像として確認でき、そのきずは第1種から第「ハ」種までの種別で区別される。また、撮影法は数種類あり、小口径管を対象とする場合は、主に「ニ」が用いられる。
⑴(イ)短い (ロ)少なく (ハ)4 (ニ)二重壁片面撮影法
⑵(イ)短い (ロ)多く (ハ)5 (ニ)二重壁片面撮影法
⑶(イ)短い (ロ)少なく (ハ)4 (ニ)内部線源撮影法
⑷(イ)長い (ロ)少なく (ハ)5 (ニ)内部線源撮影法
⑸(イ)長い (ロ)多く (ハ)4 (ニ)内部線源撮影法
答え1
問8 導管の維持管理に関する次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。
イ 地中探査レーダーは、地中に向けて超音波を入射し、埋設管で反射した超音波をとらえて埋設位置を探査するものである。
ロ サーミスター式ガス検知器は、電気抵抗が温度に反比例することを測定原理としたものである。
ハ 反転シール系の更生修理工法は、亀裂・折損漏えい予防、継手漏えい予防及び地震時漏えい予防として有効である。
ニ 地下水圧による継手部不良箇所からの浸水は、一般的に低圧導管に発生する。
⑴イ、ロ ⑵イ、ハ ⑶ロ、ハ ⑷ロ、ニ ⑸ハ、二
答え1
イ ×
地中探査レーダーは、地中に向けて超音波を入射し、埋設管で反射した電磁波をとらえて埋設位置を探査するものである。
ロ ×
サーミスター式ガス検知器は、ガスと空気の熱伝導度が異なることを測定原理としたものである。
問9 地震対策に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
⑴ 地震対策は、基本的に設備対策、緊急対策、復旧対策で構成される。
⑵ 二次災害を防止し、同時に供給停止地区の極小化を図るため、導管網を事前にブロックに分割しておく。
⑶ 供給停止方法には、製造所やガスホルダー等におけるガスの送出遮断、中圧導管に設置してあるバルブの閉止、対象ブロック内の整圧器の遮断などがある。
⑷ 中低圧導管の耐震性は、地盤変位吸収能力と設計地盤変位とを比較することにより評価する。
⑸ 液状化は、粘土質の軟弱地盤によく見られる現象である。
答え5
液状化は、緩い砂地盤 海岸や河口付近、埋立地、河川の扇状地などでよく見られる現象である。